【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ14)

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「もっと頭の弱い奴かと思ってたけど…観察眼だけはいいみたいだね」

端正な顔にあくどい笑みを浮かべる。
それにひるむ事なく鋭い眼光でAを見るレトルトに、Aは肩を竦めた。

「ふふ、俺あんたのこと気に入っちゃったかも」

「……あんたみたいな奴に好かれても嬉しくない」

「わあわあ酷いねー女の子になんてことを」

「はあ？あんた女じゃないやろ」

「そこまで見抜いてんの？こわいこわーい」

電気ケトルがお湯が沸けた事を知らせる。
ぱっ、とレトルトの元から離れたAは紅茶(ただしキヨの分は緑茶)を淹れるためにティーポットにお湯をつぐ。

「ま、一旦この話は置いといて…あんたとは個人的に今度お話したいしねえー。
はい、これ持っていって」

渡されたのはクッキーの入った皿。
眉を寄せたレトルトは渋々その皿を受け取ると、キッチンから去った。

レトルトの後を追うようにキッチンから出たAはソファの前に置かれたテーブルに紅茶と緑茶、そしてミルクと角砂糖の入った瓶を置く。

「はい、キヨ以外は紅茶どうぞー」

皆は既にクッキーを摘みはじめていて、それを見て笑いながらAは紅茶に砂糖とミルクを入れた。
(ちなみに、仲良くなったので名前呼び捨てになった)

「で、君達なんで俺ん家きたの」

「あ、そうそう！運営さんがさー女神サマにイベント出てほしいんだって」

「いいぜ別に」

「はやっ！？」

Aの即答に驚いたのか、オーバーなリアクションをとるキヨと、
驚いた顔をした残りの３人。

「…なんでそんな驚くんだよ」

「いや、今まででなかったしもう少し悩むかと…」

「今まででなかったのは依頼がなかったからだしい、依頼あったらでるわ」

皿のクッキーを頬張りながらAがそう言えば、
皆何故か納得したようにお互いを見る。

「女神さん、連絡手段ないもんね…」

「メールみないって言ってたし運営のメールも見なさそう」

「運営からのメールとかガン無視だから。時代はLINEよLINEー」

「ああそうだ、女神さん、俺とつわはすくんともLINE交換しましょうよ！」

「んー？あー、いいよーちょいまち携帯取ってくる」

P-Pの提案に笑みを浮かべてAは席を立つ。
LINEを交換出来るのが嬉しいのか、P-Pとつわはすはやけに上機嫌だ。

レトルトだけは、先程の話が頭から抜けずに、ぼーっと紅茶を見つめていた。

―――――
果たしてこのまま突き進んでちゃんとレトルトさん落ちに出来るんでしょうかね？