【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ13)

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Aが身支度を整えて自室から出てくれば、リビングのフローリングの上で土下座をするキヨの姿が一番最初に目に入った。

「なにこれ」

「アポなしできてすみませんでした」

キヨにしては真面目な謝罪に目を丸くする。
ソファの方を見やれば、他の3人も申し訳なさそうな顔で会釈する。
Aはびっくりして瞬きをし、やがて苦笑を浮かべ土下座するキヨの背中をぽんぽんと叩く。

「もういいぜ、俺そんなに怒ってねえし」

「！」

「はい、女神サマの言うことは」

「絶対！！！」

「ん、よろしい流石は女神教信者だ」

「うわすごい手懐けられてるキヨくん」

待てを解除されたような大型犬を彷彿とさせるキヨの姿にP-Pがそう零す。
キヨにソファに座っていろと言い、Aは来客のためにお茶と茶菓子を用意しようとキッチンへ消える。今日のウィッグのピンク色の長い三つ編みがひらりと揺れた。

「キヨくんさあ」

「あ？」

「本当に女神さんが好きなんだな」

つわはすが笑う、その言葉に笑みを浮かべたキヨはもちろん！と胸をはる。
わいわいと会話が進む中、1人溜息をついたのはレトルトだ。

「(キヨくん、そんなにあの人がいいんか…)」

未だにAに違和感を覚えるレトルトが嬉しそうにAの話をするキヨを見やる。
キヨの笑顔は心から嬉しそうな笑みで、レトルトは見ていられず席を立つ。
P-Pが気づき、声をかけた。

「レトさんどうしたのー？」

「ああ、ちょっと女神さんの手伝いしてくるわ」

「ええー俺も行きたい！！」

「キヨくんはさっき女神さんに待てされてたやろ」

「あっそうだった」

苦笑しキッチンへ向かう、目的の人物はそこでお湯を沸かしていた。

「あれ、別に座って待っててくれてもよかったのに」

にんまりと笑みを浮かべたAとは対照的に苦々しい顔をしたレトルト。

「あんたは…」

「んー？」

「……俺らで何したいん」

その言葉にAは笑みを深くしてレトルトに言う。

「なぁんのことかな？」

「誤魔化しても無駄や、キヨくんの気持ち踏みにじるようなことするんやったら…俺は許さへんからな」

「あっはっはっ！こわいこわーい！俺がそんなことするように見える？」

「見えるから、言ってるんだよ」

「…………へえ、意外に勘が鋭いんだなあお前」

すっ、と笑みを消したAがレトルトへ歩み寄る。

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投票ありがとうございました。
キヨさん2票・アブさん2票・レトルトさん8票で落ちはレトルトさんに決まりました。