【щт】without【kr】 (ページ3)

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Ⅲ ページ3

なんて思っていた時期もありました。
　あの日あの時美しいグリーンのドレスを着ていた母親は儚い人になってしまった。次の王子様の生誕パレードを迎えることはなかった。冬を越えられなかったのだ。
　父親は泣きに泣いて泣きまくって窶れてしまったが私に愛を注ぎ続けた。強い人だと思う。
　

　さて、今私は2つの墓の前に立っている。

　喪主を終えた女が頭に直接響くような甲高い声で笑った。義姉たちも笑った。

　私は一つ勘違いをしていたのである。
　これはなろう系でも悪役令嬢モノでもなく、シンデレラモチーフの何かであった。うっすら気づいたのは母親が亡くなって父親が継母と義姉たちを紹介してきたとき。完璧に察したのは母親の墓を継母が睨みつけては、私を虐めてきたのにも関わらず父親が庇ってくれなかったとき。

　

　ここで私を変な世界に連れてきたヒトの言葉を思い出してみよう。
　

"『勿論お一人で頑張って頂きます。貴方の助けとなる者は一切居りません』"

コレすなわち魔女なしでやれってことでは？？？？
シンデレラで魔女なしマ？？あんなの乙女のマジックパワー(笑)でなんとかしないとなんともならない物語だろうが！！魔女いなきゃこの時代にガラスの靴なんて作れないんだから舞踏会に行けたとてフラグ作れなくて詰みである。

　はあ、とため息を吐く私にニヤニヤと優越感からくる汚らしい笑みを浮かべて「掃除なさい」「念入りによ」「貴方にお部屋はないと思いなさい！」と連続で告げる義家族たち。
　こーれ、マジでどうしよ
　