家出２日目 ページ6
破れてるスカートの所をつまんで三ツ谷に見せる。
「なぁんだ。そんな事か。」
と言った。
『…ん？』
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あの後、三谷の家に行って、スカートを着替え、破れてるスカートを三ツ谷に渡した。んで、その帰り。
隣には千冬君。
『へぇ。三ツ谷、スカート直すことできるんだ』
「そう。この東卍の隊服も三谷クンが作ったんだ」
『すご』
「じゃあ、俺の家ここだから。」
『じゃ、また』
と千冬君を見送ると、私は泊まる所探しに出た。時刻は16時。急がないと。
昨日学んだ。立派なホテルとかはダメだ。なんか、すごい穴場で、安い所…
と、大通りから離れた所に、古そうな旅館を発見した。
私はカバンから厚底の靴を取り出し、履く。身長を偽装するため。
ドアを前にして、手でガラガラと開ける。…自動ドアじゃないんだ。
『すいませーん。』
大人っぽく。大人っぽく。
私は声真似が得意な方だったから、少し声を低くして話す。
「こんにちは。」
出てきたのはお婆さんだった。私よりも背が低い。
「泊まるんだったら、ここに記入してください。」
私は言われたとおりに記入する。お婆さんは私のことを特に怪しんでないようだった。
鍵を受け取り、203と書かれている部屋に行く。
部屋に入ると、夕方だったからなのか、すでに布団がひいてあった。
そして、助走をつけて、お布団に飛び込んだ。
『最高。フカフカ〜、旅館に泊まれるなんて夢みたい。』
あ、風呂入ろ。と浴衣を持って、温泉に向かった。
人は2人。同じ蝶飾りをつけている。…姉妹かな？
「しのぶ〜、この後、海鮮丼食べましょうね〜♪」
「そうですね。姉さん。」
海鮮丼…！食べたい！
ーーー
カポーンと、桶の音が響く。
『温泉、最高…！』
気持ちい〜、と腕を思いっきり伸ばす。温泉はほぼ貸切状態。私と、あと蝶の髪飾りをつけた姉妹だけ。
「気持ちわね〜、しのぶ」
「カナヲ達も連れてくれば良かったですね。」
とニコニコしてる。
私は温泉から出た。
浴衣に着替えて、ドライヤーで髪を乾かす。温泉を後にすると、そのまま、私の海鮮丼に直行した。
『うわ…！サーモンたっぷり！』
私は食べ終わった後、部屋に帰ろうとエレベーターに乗った。そしたら、知ってる顔の人がいた。
「あっ、Aだ。」
『千冬君じゃん。…と？』
金髪のちょっとダサい男。
「あっ、コイツ武道。」
『武道クン？よろしく。』
「…よろしくお願いします」
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作者名：8 | 作成日時：2022年9月7日 20時
