第３４話「毛根死滅の危機」 ページ37
「そういうわけで、アメリカ行ってくる」
「どういうわけだ！？」
警察庁のとある休憩室。人気が無く、静かなこの休憩室は零と景光、俺にとって数少ない憩いの場だ
今はそのうちの１人がいないが
「零はシンドラーカンパニーって知ってるか？」
「確か、“ＩＴ産業界の帝王”だったか……？」
「ああ。何でもそのシンドラー氏の養子がとんでもない天才少年だとかで、組織が手を出すかもしれないらしい」
「それなら知ってるが、そのシンドラー氏とお前のアメリカ行きがどう繋がるんだ？それはＦＢＩがやることだろ」
「いや、その……実は勧誘されてな」
「は？」
ぐしゃりと音を立てて零の手の中で、スチール缶がひしゃげた。飲みきった後なので汚れる心配はないが、顔がやばい。どう見たって警察官のする顔ではなく、どちらかと言えば指名手配中の殺人鬼のようだ。いや、こいつの場合殺人鬼よりやばいかもしれない
「専属のボディガードをやらないかと、どこから情報を仕入れたか知らんが勧誘されてるんだ
まあ勿論、断るが」
「当たり前だ」
「だが、借りが作れて伝手まで手に入る。そんな機会をみすみす逃すと思うか？」
「一気に雲行きが怪しくなったな」
「実は色々あって“闇の男爵シリーズ”で有名な優作先生と個人的な付き合いがある」
「お前のそのとんでもなくぶっ飛びまくった交友関係はこの際突っ込まないぞ」
「さすが零、理解が早くて助かる
因みに天才マジシャン“東洋の魔術師”と謳われた盗一先生とも個人的な付き合いがあるんだが、これはまたの機会に
そんなわけで、優作先生という関係を手土産に今度開かれるパーティーで天才少年の期間限定ボディガードをやることになった
因みにこれ上司命令」
「ガッテム！！」
そう白目を剥いて叫ぶと、零は頭を抱えてその場に蹲った。胃が限界に達したらしい。潜入捜査官はやはりストレスが多いのだろう。零の毛根が死滅してしまわないか少し心配だ
・
・
とうとうその日はやってきた
「A君、久しぶりだね」
「お久しぶりです、優作先生。お元気そうでなにより」
「君もね
さ、早速シンドラー氏に会いに行こう」
「はい」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
夢主の愛車マセラティ グラントゥーリズモ スポーツＭＣオートシフトに決まりました
vileさんありがとうございます
第３５話「砂糖は８つ、ミルクは３杯」→←第３３話「突撃隣町の港の倉庫」
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東雲虚 - イラスト上手いですね 続き楽しみにしています(^^) (6月29日 15時) (
レス) @page40 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
虹霓(プロフ) - まって、、、ふるかわくん？！？！ (2021年9月12日 17時) (レス) id: 84cecb01d0 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - イラストめちゃくちゃうまいですね！尊敬します。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです。これからも頑張ってください！ (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 小豆丸さん» 身体は壊さないように…お気をつけて！私も出来れば12月には合格したいです！頑張りましょう！ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月28日 13時
