第32話「優しい子」 ページ35
宮野志保side
「それで最近どう?上手くやってる?」
「それが大君、忙しいみたいで会えてないの」
「おやおや、可愛い女の子引っ掛けといてほったらかしとは紳士の名が泣くなあ」
向かいの席で生クリームとフルーツたっぷりのパフェを頬張る男の顔は、姉の彼氏と気持ちが悪いくらいそっくりで、青いビードロのような目で姉を見ていた
「少しお手洗いに行ってくるわ」
化粧直しにお手洗いに姉が行ってしまった。黙々とパフェを食べ続ける男と2人っきりで、居た堪れなくなって、着いて行けば良かったとケーキを突きながら後悔した
「君はお姉さんのことがよっぽど大事なんだね」
口の端に付いたチョコレートを親指で拭いながら諸星遼と名乗る男は言った
「なぜ?」
「だって君、俺が雅美ちゃんと話してたとき結構殺気出てたし、今だって警戒してる。俺の顔を最初にみたときもね
俺の兄が雅美ちゃんを連れて行ってしまうのが本当はとても嫌なんだろう?」
あの男と同じ顔とは思えないほど、優しい眼差しで諸星遼という男は見事私の気持ちを言い当てた
「だから、なに……?」
「優しい子だね、君は。とても優しい家族思いの子だ
だから謝罪させてほしい。君のお姉さんを君から奪っていく兄の事。それを見過ごして、且つ応援する俺を
けれど約束する。君も君のお姉さんも、必ず守る」
ぎょっとした。この男は、どこまで知っているのか、そこまでするつもりなのかと
思わず私は肩を抱いて搾り出すような声で返した
「無理よ」
「やってみなきゃわからないだろう。まあ、拒絶されても無理でもやるけど」
「……あなた、結構強引なのね」
「じゃなきゃ守れるものも守れないだろう?」
「なら約束しなさい。お姉ちゃんのこと、何が何でも守りなさいよ」
「お姉さんだけじゃなくて、君も守りたいんだが」
「お姉ちゃんを助けてからよ」
「わかったわかった、降参だ。全く、君って結構頑固だな」
「あら、お互い様よ」
お互い顔を見合わせ、なんだが可笑しくって、くつくつ笑い合って、思わずメアドまで交換した。組織の監視があるかもしれないというのに、何だが秘密の作戦会議みたいだと笑う彼が酷く眩しかった
宮野志保side終了
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東雲虚 - イラスト上手いですね 続き楽しみにしています(^^) (6月29日 15時) (レス) @page40 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
虹霓(プロフ) - まって、、、ふるかわくん?!?! (2021年9月12日 17時) (レス) id: 84cecb01d0 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - イラストめちゃくちゃうまいですね!尊敬します。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです。これからも頑張ってください! (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 小豆丸さん» 身体は壊さないように…お気をつけて!私も出来れば12月には合格したいです!頑張りましょう! (2018年10月12日 20時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小豆丸 | 作成日時:2018年5月28日 13時