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第31話「お引越し」 ページ34

「そろそろ引越ししようと思うのだが、この中でどの物件が良いと思う?」

「お前……すっげぇ唐突だな」


珍しく穏やかな休日の朝
豆腐となめこと若布の味噌汁を啜りながら問うと、一拍置いて景光こと緋色結が呆れ顔で梅ひじきご飯をかき込み、机に広げられたマンションの広告に手を伸ばした


「うへー、どれもすげぇセキュリティ……高くね?」

「余裕

俺のオススメは此処。駅近いし、ちょうど20階が全室空いてるし」

「ん?全室?」

「ああ、ちょうど良いからこのフロア借り切るんだよ」

「は?!」

「いやだって他の住民と出くわすと色々面倒そうだし」

「だからってワンフロア丸っと借り切る奴がいるか!?」

「ここにいる」

「いやいや、だからって……

ああ、うん、いやお前はそういう奴だったな……わかった。もうお前に任せる」

「じゃあ下見に行くぞ」

「はーい」


諦めた雰囲気で残りの朝食を食べ始める結。Aも内心で自分に呆れていた。“前”の自分が見たら発狂するかもしれない。だがどうしたってこの職は危険が付き纏う
潜入捜査官として任務をこなしていた景光だって、あのときもしかしたら死んでいたかもしれない。今潜入している零だって明日には土の中か海の藻屑かもしれない。秀一だって、若しかしたら父さんのように……

それがどうしようもなく怖い。だから、いつだって自分に出来る最善策を考え続けるのだ


「Aー大丈夫か?」


不思議そうに顔を覗き込む結の声にハッとした


「____……ああ、大丈夫だ」

「そうか?なら良いけど、無理するなよ」

「お前が言うな」


それから3週間後、無事引越しが完了した















「あ、ハムがない」

「あー買い足すの忘れてた。丁度いいからまとめて色々買ってくる。留守番よろしく」

「おー、いってらっしゃい」





「大君?あ、違う。遼君だ」

「あれ?雅美ちゃん?」


思わず振り向けば、赤みがかった茶髪の女性と兄の彼女の雅美ちゃん。実は米花シティホテル爆破事件の後、再会してから良きメール友達として交流していた。恐らく隣の女性はよく自慢げに話していた妹の志保ちゃんだろう


「久しぶりだね。そっちは噂の妹ちゃん?」

「ええ、私の自慢の妹よ

志保、この人が前に言ってた大君の弟さんで遼君よ」

「よろしくね」


にっこり笑いかけるとまるで信じられないもの見るような目で見られた。解せぬ

第32話「優しい子」→←第30話「おやすみ景光」



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東雲虚 - イラスト上手いですね 続き楽しみにしています(^^) (6月29日 15時) (レス) @page40 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
虹霓(プロフ) - まって、、、ふるかわくん?!?! (2021年9月12日 17時) (レス) id: 84cecb01d0 (このIDを非表示/違反報告)
- イラストめちゃくちゃうまいですね!尊敬します。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです。これからも頑張ってください! (2020年5月22日 15時) (レス) id: 8c0eb3b580 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小豆丸さん» 身体は壊さないように…お気をつけて!私も出来れば12月には合格したいです!頑張りましょう! (2018年10月12日 20時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小豆丸 | 作成日時:2018年5月28日 13時

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