警察庁警備局警備企画課、通称公安警察所属の赤井です

第２０話「潜入捜査」 ページ23

潜入捜査当日
黒塗りの某高級車に向かい合うようにして４人は座った


「２人共、なかなかの美人だぞ」

「ほんと何度見てもすげーよな。ゼロ、良かったな！すごい美人だぞ！」

「よくない、うれしくない」


一周回って楽しんでいる景光と顔を覆って項垂れる零
２人共、元々の顔が良いので上手く変装させることが出来たと思う。自信作だ


景光は前回試しに変装させたとき同様、腰まで届く黒髪に薄めのメイクを施した。髪は緩く巻いて編み込みハーフアップ。ドレスは綺麗なエメラルドグリーンのマーメイドシルエットのロングドレスに黒のショールを羽織らせ、骨格と肩をカバー

零は要望通り日本人女性っぽく黒髪の鬘を被せ、纏め上げて菊の簪を挿した
あの褐色肌を白くするのは大変だった。通常の化粧ではカバー仕切れない為、舞台用の化粧道具、それも1番落ちにくいものを使ったので問題ないだろう
衣装は目の色に合わせてブルーのノースリーブのハイネックドレス、こちらも肩や腕を隠す為に白のショールを羽織らせた


「降谷さん、しっかりして下さい！

えっと…………と、とてもお綺麗ですよ……？」


風見の何気ないその一言に零が沈んだ。思いっきり地雷でタップダンスで踏み抜いてしまったようだ


「風見さん、こういう時は放って置いてやってくれ。流石に今のはまずいから」

「零は切り替えさえしてしまえば大体何とかなる

あ、2人共、容姿は女でも言葉遣いと所作には気をつけろよ。バレたら色んな意味で面倒臭い」

「わかってる、こんな公衆の面前で女装癖晒すとかどんな拷問だ」

「指導、ちゃんと受けてきたから大丈夫！」

「よし、景光はあんまり喋るな。既に足開いてるぞ」

「まじか」

「まじだ」

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