天使が重すぎる 2 (ページ10)

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EP.58 ページ10

あみside

その日の昼休み、お弁当を食べ終わったタイミングで教室のドアが開いた

入って来たのはもちろんラウールくん

目黒「そろそろ来るだろうなって思ってたわ」

ラウ「さすがめめ！康二くんも分かってたっぽいけどね笑」

向井「当たり前やん！待ってたで？ここ座り！」

私たちの方に来て、康二が言った席に腰を下ろしたラウールくん

めめとライムが向かい合って座ってて、康二は私の隣にいるから必然的に私の向かい側になる

絶対ここに座らせようとして席開けてたじゃん

康二の方を見たら爽やかな笑顔でグーサイン

これは確信犯だわ

ラウ「来るか来ないかめっちゃ迷って、結局来ちゃった！」

多分。いつものラウールくんならなんの躊躇いもなくくるだろうけど今日は合格発表の日だから色々気をつかってくれたんだろうな

ほんとに、どこまでも気遣いの子だと思う

『ラウールくん』

ラウ「あみちゃん！」

『私に聞きたいこと、ある？』

ほんとはさっさと報告すれば良いのに、ここにきてちょっと意地悪をしたくなってしまった

小学生男子か、私は

ラウ「受験どうだった？って聞きたい、かも、」

『かもって笑』

意地悪しないで早く教えてあげろよ、ってめめが笑いながら私の背中を叩く

それなりに痛いんだよな、力の加減って知ってる？

『合格したよ！』

ラウ「おめでとう！！！！」

『、、、？』

両手をパーにして私の方に向けてるけどなんだ…？

あ、ハイタッチか

『え、！？』

ニコニコ待機してるラウールくんの手に自分の両手を弾こうとしたら、離れる前にぎゅっと握られてブンブン振り回される

これは何、どういう状況？

周りを見てもみんな微笑んでるだけ

もちろんラウールくんはお得意の天使の様な笑顔

ラウ「あみちゃんなら合格しないはずがないって分かってたけど、改めて聞くと嬉しいね！」

『、ありがとう』

らいむ「もうね、その嬉しさが行動と表情から溢れ出てるよ」

ラウ「えへへっ笑ハーフだから許してっ」

『ハーフって何にも関係ないよね！？』

よくわかんない言い訳をするラウールくんに突っ込みながらも、握られた手の暖かさで心まであったかくなってる気がして自然と笑顔になっていくのを感じた