天使が重すぎる (ページ22)

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EP.21 ページ22

あみside

『さっくん！』

「お、あみじゃん！ってことは今日から夏休み？」

『そう』

私が夏休みの初めに決まって訪れるのは美容院

ママの歳の離れた弟のさっくんがやってるお店で、そのさっくんは30歳とは思えない綺麗なお顔にふわふわのピンク髪がトレードマークの人気美容師さん

中でも特にカラーが上手で最近はSNSで話題になってお客さんが増えてるらしい

佐久間「前回来た時よりもだいぶ伸びたね」

『ここに来てなかったから切れてないんだよね。伸ばしてたし』

佐久間「でもめっちゃ綺麗に伸びてる。さすが美容師志望」

『さっくんがヘアケア教えてくれたおかげだよ』

佐久間「あみちゃん褒め上手だねぇ」

『ありがたきお言葉』

佐久間「じゃあ今回も佐久間さんがあみちゃんのことを可愛くして差し上げましょうっ」

『お願いしまーす』

さっくんの美容室には結構定期的に来てるんだけど、私が夏休みの初日にわざわざ来るのは

佐久間「今年はねー、ブリーチして白っぽくしてみようと思うんだよねぇ」

『初ブリーチじゃん！』

佐久間「あみちゃん元の髪が綺麗な黒髪だし、ちょっと茶色っぽい色から白までグラデーションにしたら絶対可愛いと思うんだよね！」

『さっくんが可愛いっていうならそうする！』

佐久間「じゃあ決まり！髪の毛洗うからシャンプー代へどーぞっ」

これでお分かりの通り、髪を染めてもらうため

高校生になってからは毎年夏休みに毛先を染めてもらって最終日に染めた毛先を切ってもらってるの

一年生の時は茶色っぽいピンク、二年生の時はオレンジ、そして今年はホワイト

さっくん曰く私は暖色系が似合うらしい

佐久間「じゃあ今回も料金はお手伝いでお願いします！」

『任せてください！』

さっきさっくんも言った通り将来美容師を目指してる私

そのことを伝えたら、美容院に来るたびの記録をしてその分のお題はお手伝いで良いって言ってくれてるの

私にとっては綺麗になれるし美容師の知識も学べるしで一石二鳥

私の夏休みの半分以上はこの美容院で過ごしてると言っても過言じゃないもん