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余裕のある笑みを浮かべる井伊と不安気にスクリーンを見る明智を横目に 、 上杉はやけに自信ありげな面持ちで化粧室に篭る武田を見上げた 。



「 武田の凄さは僕が嫌というほど知ってる 」

「 好敵手ゆえの信用ですね … ! 」



好奇心にきらきらと輝く桜子の瞳を前にし 、 可愛い姿に内心悶えながら上杉は首肯する 。
胸を摩り出す上杉を黒田は白けた目で見ていた 。

さて旗印戦というと武田の籠城戦は大きな丸太の突撃により破られそうな状況下にあった 。
膠着状態の中 、 スクリーンの端に少女が過ぎる 。



「 みやびさん … ? 」

《 もうお辞め下さいませ ! こんなの馬鹿げてます ! 》

《 君は黙ってて ! 》

《 黙りません … ! ! 》



旗印を掲げた筆頭の大沢という男子生徒はみやびの勢いに圧倒され 、 女子生徒達に彼女を任せた 。
展開を察した桜子が勢いよく立ち上がり 、 思うがままに駆け出そうと 、



「 っ 、 離してくださいませ … ! 」

「 すまない …… 」

「 上杉さん ! ! みやびさんがっ 、 」



した 。 が 、 そんな桜子の手を掴んだのは上杉だった 。
嫌がる彼女を引き止めるのは彼とて本意ではないが 、 危険な目に合って怪我をするより余程良い 。



「 もし戦場(あそこ)に行くつもりならばやめておいた方が良い 。 日下部の元に行くなんて飛んで火に入る夏の虫だ 」

「 せやで 、 桜子ちゃんが思うとるよりずっと危険や 」

「 それでも …… たとえそうだとしても 、 」



一旦言葉を区切った桜子は優しく上杉に掴まれている手を解き 、 戦場へと駆け出した 。





___ 優しいあの子を傷つけるのは絶対に許せません 。
______ みやびさんは私の初めてのお友達ですもの 。




ぱたぱたと廊下を駆ける軽い足音が遠ざかっていく 。 天使のような微笑みを残していった桜子が去った教室では男達が心急くままスクリーンを見つめていた 。



《 みやびさん ! 》

《 ! ? 桜子さん ! 》

《 … 私の大事なお友達に対するこのような愚劣な蛮行が許されるとお思いですか ? 》

「 あぁー ! ! 桜子ちゃん …… ! ! ! ! ! 」

「 うるせぇ ! ! 」

「 秀吉も井伊も黙ってくれないか 」



スクリーンには張り倒されたみやびを介抱する桜子の姿があった 。 ただ表情は先程と明らかに違っていた 。

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静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時

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