5話 ページ6
夜、いつもより早く仕事を切り上げ麻耶の買ってきた諸々と食料を持ち家へ帰った。
ドアを開け中に入るとソファにはあみが横になっていた。
まさか死んでいるのではと焦って近づくと規則正しい寝息が聞こえ、思わず力が抜けた。
寝ている彼女の側へ寄り寝顔を覗き込む。
ずっと会いたいと思っていた相手がこんな形で再会できるとは思って見なかった。
あみの頭を優しく撫で、自分の気持ちを収めるためシャワーを浴びに向かった。
『あ、丑嶋くんお帰りなさい....。』
シャワーから出ると、眠そうな目を擦っている彼女の姿が目に入った。
丑「うちの事務員に必要そうな物は揃えてもらったからそれ使え。後、食料も。」
あみは近くに置かれた袋の中をゴソゴソと覗き込む。
『何から何までありがとう....。良かったら、オムライス食べる...？私の手作りで良ければ。』
少し気恥ずかしいそうに話す彼女の姿に思わず眉を下げた。
昔の面影が見えたからだ。
丑「.....あぁ。」
すぐ作るねと明るい声に一安心する。
『.....うん、出来た！』
机の上にはオムライスが二つ。
一つはいつも定食屋で食べる様な綺麗なオムライス。
もう一つは少し卵が破れて中のケチャップライスが少し見えているオムライス。
『丑嶋くんはこっちね、綺麗に出来た方！』
嬉しそうに、綺麗に出来たオムライスの方を差し出す。
そこには大量のケチャップがかかっていた。
丑「.....、変わんねぇな。お前。」
『えっ、覚えてた？いっつも一つは失敗しちゃうの....。』
えへへと恥ずかしそうに笑う彼女の姿に胸が熱くなった。
うまく出来た方を俺にくれるところが変わんねぇって事だよ。
と、心の中で付け加えて椅子に座る。
『私、早く仕事見つけてここ出て行くから。それまで....、ここに居させて下さい。』
そんな彼女の言葉に俺は思わず手を止めた。
丑「.....、そんなに仕事してぇならうちで雇ってやるよ。給料も出るし、ここに住んでていい。好条件だろ？」
あみは丑嶋を不思議そうな目で見つめた。
丑「なんだ。」
『.....。いや、変わんないなぁと思って....。』
あみは優しく微笑んだ。
丑「お前に言われたくねぇよ。」
いつもの様にオムライスをガツガツと口に詰め込み力強く噛み砕く。
『私、丑嶋くんの為になるならどんな仕事でもやるっ。』
丑「俺のためじゃなくて、自分のために働け。」
二人の視線が交わる。
言葉以上の何かが二人を引き寄せた様だった。
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由良の門を - 社長こんなかっこよかったっけ？主人公ちゃんを大切にしてる感がめちゃ好きです♪頑張ってください！！ (11月5日 0時) (
レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - しおらんさん» 読んでいただきありがとうございます...！頑張りますので最後までお付き合い頂けますと幸いです！ (2022年4月17日 6時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く好きです！マサルも…好きすぎる…。完結まで頑張ってください！！ (2022年3月23日 22時) (レス) @page31 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - めいさん» ありがとうございます！！ゆっくりの更新ですがちゃんと完結できるよう頑張りますので最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 好きな作品で読んでいてすごく面白く続きが気になります。更新頑張ってください (2021年8月30日 21時) (レス) id: e56d417d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠晶 | 作成日時：2021年1月8日 21時
