4話 ページ5
〜柄崎〜
事務所ではボロボロになった加藤が横たわっていた。
高田は役所から戻り書類に記入していた。
いつもより力強く扉を開けて社長が帰ってきた。
高「あ、社長おかりなさい！書類書けました！」
丑「おぅ。」
柄「社長、あいつ大丈夫でしたか？」
丑「.....、あぁ。」
高「あのあみさんって、お知り合いなんですか？」
恐る恐る俺らに問いかける高田。
柄「あぁ、あみは俺の同級生だ。社長とは幼なじみなんすよね？」
社長は俺の問いに答え気はない様で、倒れた加藤をじっと見つめていた。いや、正確には睨み付けていた。
柄「社長が唯一心を開いてた相手だ。俺には見せない様な笑顔を向けていたのを今でもハッキリ覚えてるよっ！！」
何も言わない社長に代わって口を開く。
高「えっ、社長がっ....？」
笑顔を向けるという言葉に驚いたのだろう。
高田達の前でさえ笑う所など滅多に見れないのだから。
丑「柄崎うるさい。それより、いつまで寝てんのこいつ。」
机をガタンと蹴り飛ばし加藤を冷たい瞳で見下ろす。
いつも以上に冷め切った瞳に室内の温度が下がった様な感覚に陥る。
柄「うっす。おい！加藤起きろよぉ！！！」
俺は横たわっている加藤の頬に往復ビンタを目が覚めるまで食らわせる。
加「っ！....ご、ごめんなさい！ごめんなさい！！」
ビンタのお陰で目を覚ました加藤はひたすら謝罪の言葉を呟いた。.....誰に向けたものかは定かではないが。
そんな加藤の姿を社長は無表情で睨み付け、静かに近寄り顔に一発お見舞いした。
丑「これ、出して来い。その後は、清掃員として働いてもらう。高田連れてけ。」
高「はいっ！おい、来いっ！」
社長こ言葉に加藤は口をあんぐりと開けたまま高田に連れられて事務所を出て行った。
丑「麻耶、これであみの服やら必要そうな物一式揃えてやっくれ。」
麻「分かりました。社長の好みは？」
丑「.....、何言ってんだ。」
麻「いえ、すみません。行ってきます。」
麻耶は何枚かのお札を受け取り足早に事務所を去った。
柄「こんな偶然ってあるもんなんすね。確か社長の初恋って....。」
丑「なに柄崎死にたいの？」
柄「....すいません。」
俺は言葉を飲み込んだ。
あみと丑嶋の関係は踏み込んでは行けない、そう察したのだ。
昔自分のせいで二人に溝を作ってしまったことを思い出したのだ。
丑「取り立て行くぞ。」
柄「あ、うっすっ！」
何事もなかった様にいつも通りの業務へ戻った。
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由良の門を - 社長こんなかっこよかったっけ？主人公ちゃんを大切にしてる感がめちゃ好きです♪頑張ってください！！ (11月5日 0時) (
レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - しおらんさん» 読んでいただきありがとうございます...！頑張りますので最後までお付き合い頂けますと幸いです！ (2022年4月17日 6時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く好きです！マサルも…好きすぎる…。完結まで頑張ってください！！ (2022年3月23日 22時) (レス) @page31 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - めいさん» ありがとうございます！！ゆっくりの更新ですがちゃんと完結できるよう頑張りますので最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 好きな作品で読んでいてすごく面白く続きが気になります。更新頑張ってください (2021年8月30日 21時) (レス) id: e56d417d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠晶 | 作成日時：2021年1月8日 21時
