二十六 ページ28
{ 太宰, }
変わらず穏やかな表情で眠っている津島さん。
ただ、肌の色は依然として青白く眠っているには静かすぎて、どこか目が離せない。
八重と名乗る巫女について行った2人をよそに、じっと津島さんを眺めること10分程度。
...なぜ、貴女はここまで思考が見えないのだろうか。
私と違って、心優しく慈悲を持っている。
だけども、よく見せる一面は酷く冷静冷酷で、そんな貴女を見るとどうしようもなく気分が悪くなる。
そういう所だけ、私に似ている。そっくりだ。
人間らしく、表情に出やすいのにも関わらず私は貴女の思考回路がどうも読めない。
似ていないのに、似ている。
矛盾だが、今出せる答えはこれに限る。
私と全くもって考え方が同じだと言うなら簡単だ。
国木田君のような概念執着的で素直なのも、
どこぞの蛞蝓のように単純、短気なのも、
考え、元いい行動を予測するのは実に簡単だ。
貴女は"それら"とはまったく違う、新しい性質だ。面白くもあるけど、実に奇妙で気味悪い。
太宰「...一体、貴女は"何者"なんでしょうね。」
そう呟いて、意味の無い笑みを浮かべた。
彼女から視線を離し、前へ向ける。
幾千の雛人形を前に置く鏡が私の姿を写した、
太宰「、?!」
鏡には、"私"ではない"私"が映っていた。
笑っていた表情は、実に苦笑に歪められ頬に一筋の涙が伝っていた。
私よりも髪は長く、後ろの方でくくっている男性は装束を着ていた。
別人じゃ、ない。顔は"私"だ。
驚き、咄嗟に鏡から視線を逸らすと次見たとき写ったのは紛れもない私だった。
装束姿の、"私"。
あれは一体、"誰"だ?
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朝霧 おちあ(プロフ) - 津島 紫(元.朱晴)さん» 夢主、ようやった!!あ、決して、太宰さんが嫌いな訳ではないので。寧ろ、大好きです!旧双黒は一番好きです! (2017年7月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 5d9e9332dc (このIDを非表示/違反報告)
津島 紫(元.朱晴)(プロフ) - 朝霧 おちあさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!どうしても中原さん早く出したくてここで登場させてしまいました笑笑 (2017年7月15日 22時) (レス) id: c24428badc (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 おちあ(プロフ) - 初めまして!!凄く、面白い作品ですね!それにしても………中也さーん!!何やってんだよ!! (2017年7月15日 21時) (携帯から) (レス) id: 5d9e9332dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:津島 紫(元.朱晴) | 作成日時:2017年7月13日 0時