下剋上その11 ページ12
そうして私がウンコと結んだ縛りの内容は、簡潔に言って絶対服従だ。
今夜のことは誰にも話さない、今後は私の命令を聞く、などと一方的な縛りを取り付けた。
ちなみにナイスガイくんには性格悪いと言われた。解せぬ。
だが私としてはかなり嬉しい結果だ。
今後密偵やら情報収集に使える下僕を手に入れられたのはラッキーだし、他にも色々用途がある。
注意すべき点はアイツが命を捨てる覚悟をしてまで縛りを破る場合だが…ま、それは今のところ大丈夫だろう。
いやはや、数週間もかけて策を練った甲斐がありましたわ!!私ちゃんご満悦!!!
『…あのさ。ありがとね、オニイサン』
「は?」
森からの帰り道。
夜中ということで見つからないよう、ナイスガイくんは私を背負ったまま気配を消して屋敷に戻ってくれている。
ちなみにウンコ野郎は一人で帰らせたよ。
アイツは夜中に出歩いてても訓練してたとか言えば怪しまれないだろうしね。
…にしてもやっぱ普通にすごいな、この人。ホントに物音ひとつ立ててない。
なんで躯倶留隊入ってないのか不思議でしょうがないわ。
『私一人じゃアイツらに復讐できなかったから。感謝してる』
「………嘘つけ。一人でもどうせやってただろ」
『うっ…ま、まあ、オニイサンがいなかったら事が円滑に運べなかったしさ、そのお礼』
「別にいらねえよ。それに俺とオマエの仲はこれっきりだ。他人同士だからな」
『あー、そういう約束だったね…』
そこからは屋敷に近づいてきたので、私もナイスガイくんも口を閉じた。
そうして私を部屋まで送り届けてくれたナイスガイくん。
本当に誰にも見つからなかった。すごい。
「それじゃあな」
『うん。おやすみなさい』
「おー」
『…………あ、そういやひとつ伝え忘れてた』
「…あ?」
私の言葉にナイスガイくんは立ち止まる。
『うーん…これね、言うか迷ったんだけど……』
「なんだよ。さっさと言え」
『…私とオニイサン、血の繋がった兄妹らしいよ』
「……………はァ?」
『だからさ、兄妹水入らずってことで──』
────これからもいっぱい関わらせて貰うね、お兄ちゃん?
その時のことを甚爾はこう言った。
嫌という程寒気がした、と。
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アリス(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです( ˙˘˙ ) (2022年3月10日 23時) (レス) @page14 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ボーダーラインさん» そう言って貰えて嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2022年3月10日 17時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - キャプションで食いついて一気に拝読させて頂きました。あー主人公の性格好き!「下剋上して♡」の団扇とペンラを振りながら読んでしまった…。甚爾に最後で爆弾を投下していくスタイル、いいですねぇ。五条との邂逅も気になる〜!ペンラ振って更新待ってます!! (2022年3月10日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます!がんばります! (2022年3月9日 18時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 更新待ってます!! (2022年3月9日 5時) (レス) @page8 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝋燭 | 作成日時:2022年3月7日 21時