８撃目 ページ11
「───そもそも一番の問題は、虎杖A！虎杖悠仁！オマエ達の籍がオカ研ではなく合唱部、陸上部にあり同好会定員の三名に達していないということだ！」
唐突に私の名前が話題にあがり、え？と顔をあげる。いつも通り話を聞いていなかった私に悠仁が慣れたように話の経緯を説明して、ようやく私と悠仁に刺さる佐々木と井口の恨みがましい視線に気づいた。
「「虎杖ぃ〜？」」
「は？！いや私ちゃんと────あ、そういえば退部届け出してねーわ」
スパァン！と佐々木が私の頭を叩く音が部室に響く。
「なんっで忘れんだよ！普通忘れないでしょうが！！」
「仕方ねーだろ…それに今日出しゃいい話じゃねーか」
「ホントに姉ちゃんは……ってちょっと待てよ！俺は姉ちゃんと違ってちゃんと入部届け出したぜ！？」
「俺が書き変えた！」
そうオカ研の部室に乱入してきたのは陸上部顧問高木。教師の癖に脳筋で、杉沢第三高校の生徒の殆どにナメられてる男だ。どうやら、悠仁の入部に割り込んで邪魔したのは彼のようである。
生徒の入部届けを書き変える、という教師失格な行為を平然とした高木は、悠仁にお前は陸上部になるべきだと熱論する。悠仁の中学生時代の人間離れした体力テストの結果はこの辺りだと有名だ。五十メートル走を三秒で走るゴリラ人間、取り逃す訳にはいかないのだろう。
口論をする高木と弟の傍ら、ガサガサと鞄を漁る。自分でも思うが整理整頓下手すぎないか？うわ、これ去年の手紙じゃん…。
目当ての退部届けは、鞄の底板のように教科書とノートの下敷きになっていた。ぐしゃぐしゃになった紙を見て、佐々木は顔を顰める。
「整理整頓の下手くそさ小学生かよ……」
「うるせぇな！別に私の勝手だろ！」
声を荒らげてそう言ってから、私は椅子から立ち上がって退部届けと鞄を持つ。
「あ、姉ちゃん帰んの？」
いつの間にか高木との言い合いが終わったのか、人懐っこそうな笑みを浮かべて悠仁はそう聞いてくる。そんな弟の頭を思わずガサツに撫でる。
「佐々木がうるせえから退部届け出して帰るわ。今日は白菜が特売だからな…！悠仁、お前は？」
「俺は高木とオカ研在籍をかけて勝負！終わったら、花買って爺ちゃんの見舞い行くよ」
「おー、そうか。じゃ頑張れよ」
まぁどっちかと言うと全面的に高木が悪いだろうけどな。
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まゆ(プロフ) - ドストライクです！更新待ってます (2月16日 21時) (
レス) @page13 id: 808ea90ce0 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 尊き (7月12日 16時) (レス) @page13 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
なつ。(プロフ) - 面白すぎます…！これからも頑張ってください！！続き待ってます！ (2022年2月7日 0時) (レス) @page13 id: ea9f89257f (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 面白いです😂続き楽しみです🎶頑張ってください🎌🔥応援してます！！ (2022年1月13日 23時) (レス) @page13 id: 91b6b6a73d (このIDを非表示/違反報告)
ん - あけましておめでとうございます！更新ファイトです、応援してます！ (2022年1月3日 20時) (レス) @page12 id: 82356caa87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝋燭 | 作成日時：2021年12月3日 1時
