約束_58 ページ6
『……本当に、大丈夫だよ？』
『あのなぁ……』
『だって、1人じゃないもん』
『仲間って言ってくれて、嬉しかった。ありがとう』
『『『当たり前だろ』』』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「って、話なんだけど……」
本当に、そんな大層な話じゃないのだ
確かに、あれからそういった類のものは減ったけど
わたしにとっては、別に大した事じゃない
「……Aって、大事にされてるんだね」
「音駒の3年生って皆お母さんみたいだよね」
「わかる〜。なんて言うか、結束力がレベチ」
「ぶ、無事で良かったです！！」
なんて、皆思い思いに感想を言ってくれる
仁花ちゃん、君はなんて優しいんだ
「皆のとこだってそうでしょ。どこのマネージャーも大事にされてるって、クロが言ってた」
特に同じ3年の皆は、同級生から大切にされていると聞く
クロ伝いの話でだけども
そんな事を考えていると
潔ちゃんがジッとこちらを見ているのに気付いた
え、なに？
「……Aってさ、黒尾といい感じなの？」
「へ？」
予想もしてない質問に思考が固まった
”いい感じ”とは、どんな感じ？
「あ〜、Aにその手の話は無駄だよ〜」
「そこら辺の脳みそ捨ててるからね」
「そ、そんな事……ないとも言いきれないけど」
実際、今なんの話してるのか全然ついていけてないし
その手の話って、どの手？
「じゃあ、黒尾の事、どう思ってる？」
それでも潔ちゃんは、その話をしたいみたいだった
……クロの事をどう思ってるか？
「(どったの潔子ちゃん)」
「(多分、きっかけが無いと無理だと思うから)」
雪ちゃんも潔ちゃんも、コソコソしてどうしたんだろ？
2人を見て不思議に思っていると、手元のスマホが震えた
「あ、クロからだ」
「なに〜、電話？？スピーカーにして聞かせて」
「違うよ雪ちゃん。メールだから」
「なーんだ」
本当に、雪ちゃんってこういうイジれる話題好きだなぁ
なんて考えながらメールを開くと
”今日のスコア見たいからそっち取りに行っていい？”
という内容のメールが来てた
あれだけ一日中バレーをして、まだバレーか
バレー馬鹿め、と内心こっそり笑った
いいよ、と返そうとして思い出す
あ、体育館に置いてきた、と
”体育館に忘れた。取ってくる。”
”ついてく。階段のとこで待ってろ。”
返事を見て、皆に声をかけてから教室を出た
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作者名：ama | 作成日時：2024年3月20日 1時
