14 ページ19
「週刊誌に、
写真と記事が載るらしい。
俺とアマリアの」
そう告げられたけど、
その言葉の意味が理解できなくて
首を傾げてしまった。
週刊誌というのは雑誌のことなのだろうけど、
なぜそれに広臣さんとアマリアさんが
載るのだろうか。
「明日発売だから
詳しい内容はまだ分かんないらしいんだけど、
健ちゃんが仕入れた情報によると
俺とあの女が付き合ってて、
デキ婚するっつーガセネタを書かれたって」
「……デキ婚？ガセネタ？」
知らない言葉が出てきて
広臣さんの説明が理解できず、
困惑していると呆れたような顔をされた。
「デキ婚は、妊娠したから結婚するって意味。
ガセネタっつーのは嘘の話ってこと。
俺はあの女と付き合ってないし、
結婚なんかする訳ねーのに」
「そうなんですか？」
「……当たり前だろ。
そもそも今はお前と婚約してんのに、
他の女と付き合ってたらおかしいだろーが」
「で、でも、それは、『契約』だし、」
責めるような口調で詰られて、しどろもどろになりながら反論する。
広臣さんの強い視線を避けるように俯くと、
あごに手をかけられて
無理やり顔を上げさせられた。
「もし『契約』がなかったとしても
あの女と付き合うとかありえないから。
ましてやデキ婚とか絶対ない。
もしあの女が妊娠してても
父親は100%俺じゃねーし」
「はあ……そうですか」
「……俺のこと、信じられない？」
そう尋ねられて、どの口が言っているのかと
呆れを通り越して驚いてしまった。
あんなことをしてくるような人なんて、
普通は信頼に値しないと思う。
なのに広臣さんを信じることが当然といった口調で
臆面もなくそんなことを言われて、
開いた口が塞がらない。
そもそも、広臣さんが
アマリアさんと親しくしていたのは
まだ私たちが知り合う前のことだ。
それは私の与り知らないことであって
信じるも信じないもないけど、
広臣さんがもしさっきのような恥ずかしいことを
アマリアさんに対してしたのかもしれないと思うと
胸がざわざわして、何だかモヤモヤする。
「私には関係ないことですから」
不愉快な気持ちを吐き出すようにそう答えると、
広臣さんは鼻で笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2539人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (
レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな？無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます！今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので！！楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつめ
| 作成日時：2019年10月17日 19時
