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「……スマホの電源
切っときゃよかった」



そう呟いて、
広臣さんは私のおでこにちゅっとキスをした後
屈めていた体を起こした。

ソファーから離れながら
スマートフォンを取り出し、
「もしもし」と耳に当てる。

キッチンの方へ歩いていく後ろ姿を見ながら、
ようやく恥ずかしい『お仕置き』が終わったことに
体の力が抜けた。

それでも広臣さんに触られた感触が
すぐなくなる訳ではなくて、
体が熱くて変な感じがする。

くらくらする頭をソファーに預けて
乱れた息を整えているうちに、
ふと自分がどんな格好をしているかに思い至って
慌てて起き上がった。

外されたシャツのボタンを急いで留め、
乱れていたスカートの裾を直す。





広臣さんが電話を終えた後
顔を合わせるのが気まずくて、
今のうちに逃げようと思った。

背中を向けている広臣さんに
こちらを見られないように、
足音を立てずに玄関へ向かえば
こっそり帰れるはずだ。

ソファーからゆっくり立ち上がり、
そろそろと足を動かす。

広いリビングの中を慎重に横切り、
なんとか玄関までたどり着いた。

あとは音を立てないようにドアを開ければ
外へ出られる、とどきどきしながら
ドアノブに手をかけた瞬間
後ろから出てきた手に手首を掴まれて、
心臓が止まるかと思うくらいびっくりしてしまう。

振り返るとスマートフォンを耳に当てた広臣さんが
目を眇めて私を見つめていて、体が強張った。



「……とりあえず、また連絡する。
手間かけさせて悪いけど頼むわ、健ちゃん」



私から目を離さないままそう話し、
広臣さんは通話を切って
スマートフォンをポケットにしまった。

蛇に睨まれたカエルのように固まっていると
玄関に体を押しつけられて
「ひっ」と悲鳴を漏らしてしまう。



「残念だったな、逃げらんなくて」

「あ、あ……」

「心配しなくても、もう何もしねーよ。
つか、できなくなった」



そう言って、広臣さんは眉をしかめた。

できなくなったというのはどういう意味だろうと
訝しく思っていると、
「ごめん」と低い声で謝られる。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな?無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます!今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので!!楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月17日 19時

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