特級過呪怨霊’’夏油傑’’【呪術廻戦】

番外編１ ページ13

「え？なんで？

もしかして宿儺がなんかやっちゃった！？」


「そうだな。ま、宿儺が何かしたところまでは別になんとでもなった。

問題はその後。」


眉間にシワを寄せながら家入は深いため息をつく。


「どゆこと？」


「…悠仁はなんでAが特級なのか知ってる？」


「司埼が強えからじゃねえの？」


「それもそうだけど、今からもう一つの理由を見に行くんだよ。

多分悠仁は、まだ”傑”の危険性を理解できてないと思うからね。」


それだけ言うと黙ってしまった五条に虎杖はまた首を傾げ、先を急いだ。

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虎杖の足はすくんでいた。


部屋の扉越しでもわかる殺気と呪力に。


あの時あった特級呪霊など足元にも及ばないレベルだ。


「わー。ホントだめっちゃキレてる。」


そう言いながら五条は部屋の扉を開ける。


目の前には対呪霊用強化ガラス。その向こうに居るのは、何かを抱えこちらに背を向け座る夏油。


「あ、あれって…」


「そ、悠仁も一回会ったことあるでしょ？ちょーっといつもより知能が高い人型の傑。」


「じゃ、頼んだ五条。私はここにいるから。」


はいはーい、と軽い返事をして五条は虎杖の腕を引いて部屋の中に入る。


「え！？俺も入んの！？」


「大丈夫大丈夫！やばくなったら守るから！」


「冷たいねええAえ、さ、寒いのかいい？」


「や、傑。最近ぶり。」


「悟とお、虎杖くううん？何かあ"あ用かいい？」


夏油がクルリと振り向いて、抱えていたものがわかる。


虎杖は思わず息を呑んだ。


あるはずの左腕が無い。少し動かすたびに腹から滴り落ちる血。真っ青な顔色で弱い呼吸をする、司埼A。


「そのままじゃA、死んじゃうけど。いいの？」


「き、君もおお、私からああAをの奪うう"つもりかああいい？」


「いや、Aを助けに来たんだよ。傑もAの左腕はくっついて欲しいでしょ？」


そう言って五条が見せたのは、いつの間にか持ってきていた司埼の左腕だった。


「…！！！そ、れええ、Aのおお！！」


それを認識した途端、夏油の形が崩れてきた。


「あれ、逆効果だった？」


「なにしてんの五条先生！？！？」


言い終わると同時に完全に人型を崩した夏油の拳が飛んでくる。


勿論無限で止まる。がそう長くは持たないだろう。


「いやー腕見せたら離してくれると思ったんだけどな！」


ケラケラと笑う。

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