〃＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ページ13
その日から潤は
雅紀が一人行動しなければならないときは
そっと後をつけ
教室を移動したあとには
雅紀が一人にならない状況を確認すると
忘れ物をしたと言っては
空っぽになった教室をうかがい
一緒にいる時でさえも誰かが雅紀を狙って
視線を送っていないか
常にアンテナを張っていた
そしてついに見つけた
空っぽの教室
雅紀の席に座り何やら机を覗き込む人影
扉を開ける音に慄き
慌てて立ち去ろうとするその人物の腕を
潤はむんずと捕まえた
ネクタイの色から一つ下の学年だと気付く
雅紀に対して謝るべきだと詰め寄ったその時
彼は悪くないと声を上げて雅紀が駆け込んできた
潤がなかなか戻ってこない事が気になり
雅紀も教室に引き返してきたのだ
雅紀は自分の父の会社のせいで
彼は辛い思いをしているのだから
自分が報いを受けても当然なんだと話した
雅紀は彼がしているであろうと
うすうす気が付いていた
知っていてそのままにしていたのだ
潤は雅紀がなぜそんなふうに考えるのか
理解出来なかった
お前とお前の父親のことは関係ない
ましてや他人の家のもめ事なのに
なんでお前が報いを受けなきゃならないのか？
それだけじゃないこのまま彼を見過ごすのは
彼の為にならないだろう
もしかしたらもっとエスカレートした
行為に至ってしまうかもしれない
そうならなかったとしても
常に後悔と罪の意識に苛まれながら
過ごしていくことになるかもしれない
今見過ごすというのはそういうことだ
そう言って潤は雅紀に食ってかかった
雅紀はあっけにとられ
しばし立ち尽くしていたが次には
放心状態の彼に深々頭を下げていた
自分が我慢すればすむ事だと思っていた
俺は君に酷いことをしていたんだねと……
何かおかしくはないだろうか？
悪いのは雅紀なのか？
いや雅紀はなにも悪くないよな？
その光景に軽く混乱を覚えながら
潤は彼にどうするのか？と問いかけた
彼はうなだれながら
ごめんなさいと謝ると
小さな声で話し出した
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43(プロフ) - 大変お待たせして申し訳ありませんでした。見捨てることなくページを開いてくださった皆様、ありがとうございました。亀更新が続きますが、完結目指してカーソルはノロノロと進んでいっております。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。よろしくお願い致します。 (2021年5月12日 21時) (
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作者名：43 | 作成日時：2021年5月12日 21時
