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ヒヨドリというのは巣立ちをしたからといって
雛はすぐに飛び立ってしまう力はなく
しばらくは地上で親鳥に餌をもらいながら
その時まで筋力を付けていくのだと
そんな話を雅紀から聞いた潤は
雛たちの姿を探しながら
グラウンドの隅で雅紀を待っていた
放課後一緒に様子を見に行こうと約束したのだが
雅紀は日直の仕事を片付けてから行くからと
潤が先に訪れていたのだ
雛達は順調に育っているようだった
良かったと思いながら
あたりを見回しても雅紀はまだ現れなかった
何かあったのかと教室に戻ったが
姿も荷物も見当たらなかった
下駄箱を確認してみると雅紀の靴はなく
擦れ違いになってしまったのだろうかと
もう一度グラウンドの隅を訪れたが
やはり姿は無かった
潤はポケットを探り携帯電話を握りしめたが
はたと気がついた
連絡先の交換はまだしていない
結局雅紀は姿を現さないまま潤は家路についた
翌日
おはようと現れた雅紀は
左足をかばうように少し足を引きずっていた
どうしたのかと詰め寄る潤に
雅紀は階段を踏み外して軽く捻ってしまったと
カラカラと笑いながら答えた
医務室に寄って処置してもらっている間に
潤と行き違ってしまったらしいと
申し訳無さそうに頭を下げた
その程度ですんで良かったと
潤は胸をなで下ろす
そして今後またこんな事がないようにと
連絡先の交換を提案すると
雅紀は瞬間にして顔を紅潮させ
本当に自分と連絡先を交換してくれるのか？
と何度も潤に確かめる
友達なのだから連絡先くらい教えろと
照れくさそうに伝える潤に
嬉しい気持ちを隠そうともせず
笑顔いっぱいに頷く雅紀
なんだか雅紀の思惑に
まんまと乗せられたような気がしていたが
不思議と潤は嫌な気持ちではなかった
むしろこれからの高校生活に
やっと楽しみを見いだせたかもしれないと
嬉しさがじわりと感じられた
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43(プロフ) - 大変お待たせして申し訳ありませんでした。見捨てることなくページを開いてくださった皆様、ありがとうございました。亀更新が続きますが、完結目指してカーソルはノロノロと進んでいっております。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。よろしくお願い致します。 (2021年5月12日 21時) (
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作者名：43 | 作成日時：2021年5月12日 21時
