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向こうはきっと、学生時代にこっぴどく振った後輩だと思ってるだろう。
でも私は、それだけじゃなく、あの時怜央くんが抱えていた家の事情を知ってしまっている。
……だとしても。
表情一つ変えない怜央くん、いや、長妻先輩を前に、何事もなかったように働くことが、今は最優先。
とにかく、仕事を覚えなきゃ。
一から、真面目に。
そして、ゆくゆくは独り立ち。
先は長いかも知れないけれど。
…
部署を離れ、二人で会議室へ向かう。
「……A、」
ッ、
「ごめん、Aさん」
「……」
心臓に、悪い。
何事もなく、
大人になりたいだけなのに。
「……資料用意するから、先に向かってて」
「……はい」
紫耀がせっかく応援してくれた職場。
一緒に頑張って、入ることの出来た職場。
早く、一人前になって、
強くなりたい。
ただ、それだけなのに。
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なずな(プロフ) - とても面白い作品だと思います。更新待ってます! (2017年10月19日 17時) (レス) id: 05a55ce506 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 面白くて文章力もあって一気に読んでしまいました。それから毎日読んでます。何回読んでも素敵な世界観で。更新を楽しみにしてます!お願いします! (2017年10月11日 23時) (レス) id: 2353cb313a (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - とても面白くて、続きがとても気になります。これからもがんばってください! (2017年8月20日 20時) (レス) id: a3bf426d55 (このIDを非表示/違反報告)
きょ(プロフ) - 更新ありがとうございます。とても面白くて楽しみにしています。がんばってください。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: cfc1303549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年6月2日 12時