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『では、お邪魔させていただき有難う御座いました』
em「もう行くんですか？」
お弁当を片手に立ち上がった私に、そう尋ねるエーミール様。
たしかに、お昼休みの時間はまだある。が
『飲み物が買いたくて』
em「そうですか…わかりました」
『…あの、』
em「なんですか？」
『明日も此処で食べて良いですか？』
em「…！ええ、勿論」
ふわりと笑うエーミール様に、お辞儀をしてから図書室を出た。
教室に戻れば机には暴言が書かれていた。濡れた雑巾で其れを拭きながら何故こんなにも幼稚なことをするのだろうと心の中で嘲笑しつつ、心配そうに私を見ていた友人に微笑んだ。
昨日は、また明日、だなんて笑いながら話しかけてくれていたクラスメイトにも、今日は睨まれながら舌打ちをされた。
生徒会の影響力が凄すぎて、笑えそうなくらいだ。
噂によると、ノーラさんは何もされていないらしい。
元から男女ともに好かれていたと言うこともあるし、何よりシャオロン様の圧が凄いのだとか。
流石ヒロイン。
正直に言うと、少し羨ましいとも思った。
この状況が辛くないわけないし、私だって守られたいと思う。
自分はモブだから、と納得させようと思っても、今日一日だけで浴びせられた冷たい視線の数々を思い出すと、胸が締め付けられるようだった。
でも、家に帰ればぺ神と温かい和食が出迎えてくれたし、エーミール様の暖かい言葉や友人の心配そうな表情を思い出せば少しは心の傷は和らいだ。
…それなのに。
『…！うそ』
携帯に届いた学校からのメール。その内容に絶句していればぺ神は慌てたように駆け寄ってくれた。
sn「どうしたの！？」
『昨日、女子生徒が通り魔にあったって…』
sn「え」
『そ、れが、友人で…！』
それ以上は何も言えなくなり、ただ溢れる涙を無理矢理拭っていた。
目頭は熱いのに、心はぽっかりと穴が空いてそこを冷たい風が吹くようだった。
ぺ神は目を僅かに細めたかと思うと、ふっと姿を消した。
不思議には思ったが、そんなことを気にする場合ではなかったのだ。
悪女が、元悪女となった二回目の学校生活。
初めてできた友人が彼女だった。
生徒会について楽しそうに語る表情や、私を心配するような優しい声が、何度も脳裏を過ぎる。
嗚呼、もし神様がいるのならば。
『っ、モブに対して残酷すぎませんか…？』
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なな - この話面白くてすきです！ (2021年7月19日 9時) (
レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
なな - こ (2021年7月19日 9時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
タラコ - すみません。42話のところの『''和食''は存在しないけど、、、』のところ和食と日本食逆になってると思います！ (2021年2月23日 9時) (レス) id: d000e7e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃい - モモさん» 有難う御座います！本当だ、急に話がとんでしまってますね…ご指摘有難う御座います！更新コツコツ頑張らせていただきます。 (2021年1月24日 9時) (レス) id: d7c3fd666c (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - めっっちゃ好きです…！36話から42話になってますよ！更新頑張ってください！！ (2021年1月23日 9時) (レス) id: 822858a868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むっちゃい | 作成日時：2021年1月8日 16時
