第186Q ページ25
第3Qは1桁まで点差を縮めたかと思ったら、終了直前に今吉さんのブザービーターによってそれは阻まれてしまった。
インターバルで私は木吉先輩のテーピングをする。
そして選手らをもう一度コートに送り込んですぐ、なんだか視線を感じた。
それは桐皇ベンチ側からで、思わず目をやると、さつきが私を見ていた。泣き出しそうな顔で私を見ていた。
えっ?と反射的に出た声はブザーで掻き消される。
それと同時にさつきは目を逸らしたので、私はポカンと呆気に取られたまま固まってしまったのだ。
今の、泣きそうだったけど、でもなんか嬉しそうだった…?何が、あったんだろう。
その答えはすぐ知ることになるのだが、とにかく私は試合に集中しよう!と己に言い聞かせた。
最終クォーター、11点差。
日向先輩の3Pで一桁に戻して、そのボールが青峰に渡った。
その時。
さつきも、テツヤも、もちろん私も。
彼の表情を見て、はっと息を呑んだ。
今、少しだけ、昔の青峰に見えた…。もしかしたら、先程のさつきの表情はこれに勘付いていたから…?
前兆は前半からあった。あの時感じた高揚感が再び私を襲う。
バスケが好きで、楽しそうにバスケをしている青峰が、もう一度見たい。
テツヤと大輝がバスケを一緒にプレーしてるのを見たい。
そんな淡い私の願いが、叶う気がして、グッと拳を握った。
点を取っては取られを繰り返す時間が続く。
それではこの点差が縮まることは無いのは十分に理解しているが、これが今の精一杯だし離されていないだけ及第点だと思いたい。
けれど、勝つなら、青峰を止めなければならないのは事実。
今の青峰を止める術なんて…
降「おい!あれ!」
リ「まさか」
光樹がコートを指差す。
その先を見て私は固唾を飲み込んだ。
『青峰に、木吉先輩、大我、テツヤのトリプルチーム!?』
いつだって、彼らは全力だ。
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涸萌佳雨(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます><落ちについては、もう既に決めているのですが、正直どっちも捨て難く、また迷い始めてます笑笑しっかり読んで考えてくださって感謝です!最後まで見届けてくださると嬉しいです^^/ (1月13日 2時) (レス) @page30 id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 初心者です!さん» コメントありがとうございます!シリーズ1からいらっしゃいませ!楽しんでもらえているようで何よりです><ゆっくりですが更新進めておりますので、これからもよろしくお願い致します〇 (12月19日 14時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - シーズン1から読んでいたら、青峰落ちもいいな!と思ってしまいます… (12月19日 13時) (レス) @page5 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - シリーズ1から来てます!すっごく面白いです!これからも更新頑張ってください! (12月17日 15時) (レス) id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!!応援の言葉励みになります;;これからもよろしくお願い致します>< (12月1日 10時) (レス) id: be90f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2023年1月13日 21時