バイク好きの彼に妹がいた?! (ページ37)

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---同時刻

ナノの母親…D国王妃と共に別室へ移ったコネシマは静かに王妃の事を観察していた

というのもこの部屋に来てからの王妃の様子がナノの前と違いすぎていたのだ。自身の娘を罵倒し、忌み嫌っている様な態度とは打って変わって、慈愛の心を持った1人の母親の顔になったのである

kn「…」

ma「…」

kn「…お前にとって彼奴はなんや？」

長い長い沈黙の中先にその静寂を破ったのはコネシマだった

ma「何…とは？」

kn「一人娘を罵倒したかと思えば今はその娘に対してそんな感情は一つも持ってない…行動が噛み合わなさすぎるんや」

とても一人の人間ができるとは思えない感情の起伏。コネシマには到底理解できなかった

ma「…コネシマ様は我が国で何が起こっているのかご存知ですか？我が国では長年王家による政治を中心に国を治めてきました。貴族だけでなく一般市民からも人員を募り、広い階級に理解のある政治を目指して」

今の時代の主流だった貴族中心の政治とは違い、一般市民も政治に参加していたF国は周辺諸国から明らかに浮いていた為、国政に鈍かったコネシマも知っていた

ma「貴族の中には一般市民を政治から外すべきだと言う貴族も少なくはなかったです。国交を結んでいた他国からも圧力をかけられる程でしたが国王はそれは国ではなく貴族の為の政治になってしまうからと聞き入れませんでした」

kn「…」

コネシマは先程牢屋で見た周囲からの圧力に耐え、窶れきり、ボサボサになってしまった普段は整えられているであろう長く深い黒髪で顔が隠されたF国国王の様子を思い出した。一体あの髪の下にはどんな光を宿した眼があるのだろうか

ma「反発は段々と大きく強くなっていきました。その頃にはナノも生まれて7年が経っていました。あの子も私たちの考えを継いで国民の事を第一に考える優しい子だったんです」

目を閉じて穏やかな表情を浮かべる彼女から、どれだけ幸せだったかが伺える

ma「なかなか考えを変えない国王に痺れを切らした貴族達は当時はまだそこまで強く規制されていなかった人体実験による暗殺を企み始めました」

更新遅くなって申し訳ないです…