バイク好きの彼に妹がいた?! (ページ19)

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お兄との旅行から1週間が過ぎた。あれから特にお兄やコネシマ様からも何もコンタクトもなく(あったけれど特に気にしてない)あの夜の出来事は夢だったんじゃないかと思うくらい平和な日々だった。だから油断してしまったのだ。

you「っ!!」

いきなり現れた見知らぬ気配に驚き、叫ぼうと大きく息を吸った途端口と鼻を塞がれ薬品をかがされてしまった。

you「ｽｩ…ｽｩ…」

？「やっと…やっとだ。俺たちの"理想"ためにお前が必要だ」

ナノの後ろに突然現れた人影は、少女を抱えると屋根を伝って闇の中に消えていった。

shp「はぁっ…はぁっ…」

月明かりに照らされた街中を走り回っているショッピの目には不気味な程に冷たい怒りの炎が揺らめいていた。

ーその日の朝

いつもより早い時間に基地を出たショッピは少し寄り道をして、露店を見て回っていた。なぜなら、今日はナノの誕生日なのだ。いつもならば、当日までに決めておくのだが時間がなかったため用意できなかった。今年は何にしようかと物色しながら歩いていると、ある雑貨屋の前で足を止めた。

shp「これって…」

見つけたのは猫のモチーフが描かれたマグカップだった。薄紫色の下地の上に猫が玩具で遊ぶイラストがプリントアウトされていた。

まるでナノのようだ

その猫に最愛の妹を重ねてピッタリだと思ったショッピはすぐに商品を持って会計に進んだ。

が、

途中でマグカップの取っ手が取れてしまった。幸い、床に落ちることは無かったが、壊れてしまったので新しいものに変えてもらい、綺麗にラッピングされた袋を持って店を後にした。

取っ手が取れるというトラブルはあったもののいい買い物が出来てショッピは満足して、ナノの家に向かった。

インターホンを押す。ピンポーンと気の抜けたような音が家に響くが物音がしない。