金平糖のような*二粒目[忍たま] (ページ13)

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この作戦の肝は、密書をドクタケがちゃんと解読できるかにかかってるらしい。私の働いてた宿でも、ドクタケのいい噂は聞いたことないし大丈夫だろうか。
その心配は杞憂だったらしい。バタバタと慌てた様子で、一人の男が、ドクタケが攻め込んできたことを報告した。響き渡る黄昏時甚兵衛の大声。

「園田村に行かせたんだったー！！」

いや、え？城にいた残り全ていかせたって……園田村に向かわせた人数多すぎない！？もう終わっているこっちの戦に全勢力を置いておくわけはないもんね。……こっちは怖いくらいにうまくいったけど、向こうは大丈夫なのだろうか。
私が不安がっているうちに、タソガレドキ軍は撤退。黄昏時甚兵衛も後に続こうとしたが……いや……。

「その髪で行かれますか？」

そう、黄昏時甚兵衛の髪型はまるでクジラを乗っけたようになっていた。因みにリクエストしたのは、他ならぬ私である。足止めの髪型をどうしようかタカ丸くんが悩んでいたので、私も一緒に考えたのだ。それを忠実に再現してくれるタカ丸くん。うーん実に愉快。

「なに？」
「あ、タカ丸くん鏡、鏡」
「ありがと。はい、どうぞ」

鏡を覗きこんだ黄昏時甚兵衛、絶叫。早よ直せ、とのこと。まあ当然のことである。
この人には悪いが、ここから畳み掛けさせてもらう。

「急ぎは料金割増です」

……流石職業職人の家系。容赦のない料金割増につい笑ってしまいそうになる。
が、そうじゃないでしょ！ここだ。急がなきゃいけない時に限っての足止め…黄昏時甚兵衛にとってこれほどの痛手はないだろう。攻めどきだ。