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・倉子side ページ34
仲良くなってみよう、と思ってみれば早かったのは、どこか似たもの同士なのかもしれない。
お互いに分厚くて重い心の扉が思いがけないトラブルで開けっ放しになったのだろう。
亮くん…亮ちゃんは自由に笑っていれば村子ちゃんが言う様になるほど天使の様な子だと思った。
だけど、重たい扉の開け方を自分でもわかってないのだ。私にはその気持ちがわかる。周りの人は明るくて、優しくて、仲良しに囲まれていて。そんなふうになれない自分を見てしまえば扉はますます重たくなる。特に、兄弟というとても身近で大切な存在が眩しい程に自分をまっすぐ見れなくなるのだ。
だけど、きっと亮くんは素直で優しい子だと思った。そこは、卑屈で天邪鬼な私と違うところ。そんな彼の手を引くことができないかな、なんて思った。私と出会ってくれた友達がそうしてくれたみたいに。
小さな友達ができた。背が伸びて、手もちょっとゴツゴツしてきて、天使のような顔が精悍なイケメンになってきて、それでもずっと愛おしい親友が。
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作者名：らむ倉 | 作成日時：2020年10月23日 23時
