検索窓
今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:26,888 hit

ページ22

カフェラテの白い泡にスティックシュガーを注いで鼻歌交じりに混ぜるその目の前には、宝石みたいな大きないちごのショートケーキ。

フォークでひょいと真っ赤な主役を奪うと、「あーー!!」と追いかける指先。捕まる前に頬張る。
大きな目に涙が溜まる前に、私のタルトのいちごをぽかんと開いた口に詰め込む。


安「んむぅ…」


抗議したげな顔で、だけどいちごは味わいたくて。


「んは。お約束。」

安「れもいちごはさいごがええの!」

「最初でも美味いもんは美味いやん。」

安「ん…おいひい…」



困り眉の間によったシワを人差し指の腹でグリグリすると、「もー!」と鼻を摘まれる。

コロコロ変わる表情に、頬が緩む。

仏頂面は作ってない。笑いたくない訳やない。感情を大きく出すのに、多分人より体力がいるだけ。

やけど、オマエといるといつの間にか笑ってる。
家帰ったら表情筋疲れてんねん。




安「もー、すば子いじわるせんといて!いちご取らんといて!疲れたら道に座り込むんもやめて!試着した服たたみ方わかれへんかったら店員さんに聞いて!」

「文句ばっかり言うなや。それに、安子やったらええやろ。」

安「なんなんそれ?」

「許してくれるやん。」

安「…あは、確かに。そうやないとすば子ちゃうもんなー。」

「せやろ?」

安「胸張るとこちゃうけどな!

…なー、すば子はないん?」

「ん?」

安「安子に直して欲しいところ、なんかないん?
いっつもお任せやとわかれへんやん。」


「んー…」

「…」

「…ないな。」

「オマエは、生きとったらそれだけでええわ。笑」


安「なにそれ笑。」

「私ら、ずっとこのままやったらそれでええわ。」

安「…安子もー!生まれ変わっても仲良しがええな!」

「なんやそれ笑。」

安「来世キノコやったら、すば子のとこまで胞子飛ばしたるわ。」

「…私もキノコなってへんかそれ?」

すば子と倉子→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らむ倉 | 作成日時:2020年10月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。