ずっと *腐注意 ページ12
年の瀬やな〜
寒い毎日の中でなんと陽気があった今日。
気圧が安定していて保健室を使う人は珍しくおらんし、ちょっと気を抜いてるうちにうたた寝していた。
なんの夢を見ていたかは覚えていない。とにかく、心地よかった。そうしているうちに、誰かの声が聞こえた。
たつ…?
都合のいい夢。あいつは卒業したし。大阪にもおらんし。変な夢やな。
忠「夢ちゃうで、丸ちゃん先生。帰省中なんで遊びに来ましたぁ。」
…本物やん。
1年ぶり?変わらない。キレイな顔も、大きな口を開けて笑うところも。
体弱いのに一人暮らしやなんて、正直心配してたけど、元気そうでよかった。
USJ行こう、やって?
行けへんわ。
そんな一緒にいたら、きっといい先生じゃいられなくなる。信ちゃんに限らず、先生なんて他にはつけない癖に、ずっと丸ちゃん先生、なんて慕ってくれるコイツに失望されるのは何より怖い。
お前は一生可愛い生徒やで。
自分に言い聞かせるように言った。
チャイムが鳴って、もう帰る時間だという。
もっといたい。ずっと、居たいのに。
先生と生徒、それ以上になれたなら、いつまでも一緒にいれる。
だけど、それは無理やんなぁ。
高校生の頃からかっこよくて、いつでも女子の視線を集めてて。少し大人になった彼はその頃よりずっと魅力的で。彼女だっているだろう。人周り年上のおっさんが、近寄れへんよ。
…今日は信ちゃんと呑もっかな。
沢山愚痴ってもうても、信ちゃんなら許してくれるやろ。
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作者名:らむ倉 | 作成日時:2020年10月23日 23時