第二章 蝙蝠と蛇 ページ6
「リリスさん、いらっしゃいましたよ」
この人達と違うとわかった今、どうでもいいように思えた。
今まで癪に障ったこの人達の声も今では気にならない。
『おいで、メレフ』
外にいるものを、無視してかごに可愛い愛蛇を入れる。
ここでの唯一の心の救い。話し相手。
『ドコイク？ 』
『わからないけど、どこかここじゃない所』
落ちたりしないようにしっかりと、鍵がかかっていることを確認して、予め準備していた少ない荷物を持って急いで部屋を出た。
「すいません、お待たせしました。」
「下にいらっしゃいます」
そう言われ階段を降りると、玄関前に色んな子の注目を集めた全身真っ黒なひとが立っていた。
「それでは、よろしくおねがいします」
横に立っていた女性がそう言うと、真っ黒な人ははい、と一言言って孤児院から出て行った。
「ありがとうございました」
私も一言だけそう言って出ていこうとすると、子供特有の高い声が響く。
「二度と帰ってこないでよね！化け物！！」
−−ﾌﾟﾂﾝ
何か頭の中で切れた音がした瞬間、視界が真っ暗になった。
「無闇に使うものではないですな」
耳元で囁かれ、この闇の正体があの真っ黒な人の手だとわかる。
なんとか、理性を保ち、落ち着いてくると暗闇が消え、視界が光でいっぱいになる。
「早く行きましょう」
そう言われ、今度は馬鹿な奴らを無視して黒い人について孤児院をあとにした。
＊
『オソト！スゴイ！』
『あんまり顔を出さないでメレフ。危ないから』
私がメレフにそう言い終えると黒い人は咳払いをしてこう言った。
「あまり、人の前で使うのはよした方がいいですな。我々魔法族の前でも」
「何をですか」
「蛇と会話でき、人の心を簡単に読める魔法使いは少数だという意味です」
黒い人は蛇を見て眉間にしわを寄せた。
「なんで私が心を読めると？」
私がそういうと黒い人は黙ってしまった。
魔法使いは、人の質問に答えないのが当たり前なのだろうか。それとも、私がする質問が悪いのか。
そんなことを考えていると黒い人は小さなお店の前で立ち止まった。
「ここから、決して我が輩のそばを離れないように」
「……はい」
質問する事が無駄だとわかった私は返事だけして黒い人から離れないようピッタリとくっついてお店に入っていった。
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心(プロフ) - とっても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年7月26日 20時) (
レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
天（あめ）(プロフ) - 黒崎15さん» コメントありがとうございます！！参考にさせていただきますね！ (2015年6月22日 16時) (レス) id: 74490199aa (このIDを非表示/違反報告)
黒崎15 - むっちゃ面白かったよ!!夢主の寮はグリフィンドールがいいとおもうよー!!更新待ってるでーーー!!!!! (2015年6月22日 15時) (レス) id: 3e14d86931 (このIDを非表示/違反報告)
天（あめ）(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます！！頑張って更新しますね！！！ (2014年5月5日 21時) (レス) id: 3af1da5c93 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - とても面白かったです！ 続きが気になります 更新頑張ってください!! (2014年5月5日 21時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天（あめ） | 作成日時：2014年4月28日 21時
