第六章 異変 ページ27
「それで、私の貴重な読書タイムを邪魔して、何のようかしら。マルフォイ坊ちゃん」
「その呼び方を止めろ。君がこのスリザリンで可哀想な目に遭わないよう僕が面倒を見てやってるんだぞ」
「あら。そうだったの？……私、何度も言ったと思うけれど生憎、そういった世話係は必要としてないの。じゃあね」
踵を返して、その場から立ち去ろうとした。マルフォイの顔は愉快だったし、その横にいた大きい2人の顔もまたヘンテコで笑えたのに。
私の視界は大きく歪み、体に衝撃が走った。
その後のことはぼんやりとしか覚えてない。ただ、誰かが驚いている声とハーマイオニーの声が響いていたのは覚えている。
*
何か、恐ろしい夢を見ている気分だ。どぐろを巻いた黒い、大きな蛇が私を見下ろしている。今スグにでも殺そうとしているように。お前は何時でも食べられるんだ、とでも言うように。
私の体は動かない。すると、そっと何かが肩に触れた。冷たい手だ。一体誰の……
『君は僕だ。怖がることは無い』
その声が耳元で囁く。後ろを振り向いた瞬間に――
ザッ、と光が視界を満たした。勘弁して欲しい。今まで暗闇にいたのだから急に光なんて差し込まれたら目が潰れてしまう。
そう思って目を細める。
「ようやっと、目を覚ましたようじゃな」
その声は今まで悪夢を見ていた気がするのに対して、拍子抜けするほどの、穏やかなものだった。
「……ダンブルドア……校長」
「そうとも。君は倒れた。覚えているかね？」
「えぇ、まぁ……ここに居るということはそういうことでしょう」
そうだ。ここは紛れもない医務室。倒れたのだろう、と予測できる。
「よろしい。それでは何故、倒れたのか。何か心当たりは？」
「……それは」
正直、全くわからない。それを調べている途中でマルフォイお坊ちゃんに邪魔をされたのだから。その苛立ちが少しフィードバックしてきて、ムッ、と顔を顰めてしまった。らしくない。
「最近体調が悪そうだった、と君のルームメイトから教えて貰ったのじゃが」
どっちが言ったんだ……いや、これは間違いなくアンヴァーだろう。私を思う故の行動かもしれないが正直、やめて頂きたい。しかし、仕方ない。伝わってしまったものは今の私では忘れさせることも出来ないだろう。
「本当です。ちょっと寝不足で……勉強が楽しくてつい……」
「A、さきほど君は魘されていた」
嘘をつく私を遮って校長はそう言った。
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心(プロフ) - とっても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年7月26日 20時) (
レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
天（あめ）(プロフ) - 黒崎15さん» コメントありがとうございます！！参考にさせていただきますね！ (2015年6月22日 16時) (レス) id: 74490199aa (このIDを非表示/違反報告)
黒崎15 - むっちゃ面白かったよ!!夢主の寮はグリフィンドールがいいとおもうよー!!更新待ってるでーーー!!!!! (2015年6月22日 15時) (レス) id: 3e14d86931 (このIDを非表示/違反報告)
天（あめ）(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます！！頑張って更新しますね！！！ (2014年5月5日 21時) (レス) id: 3af1da5c93 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - とても面白かったです！ 続きが気になります 更新頑張ってください!! (2014年5月5日 21時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天（あめ） | 作成日時：2014年4月28日 21時
