〇配信者ちゃんと体調 ページ21
・
噂をすれば、通知はましろさんとのメッセージからだった。
ましゅ楓ー
ごめん、めっちゃ熱出た!もう仮住居来ちゃってた?
…テンション軽い。
病人は「熱出た!」と元気には言わないぞ。少なくとも私には元気に言っているように見えた。
ドッキリか?
そう思い、電話をかける。…ワンコールで出た。
「もしもし。ドッキリなら…」
『ドッキリじゃ、ごほっ、ないんだよ〜……げほっ』
普段からじゃ考えられない、気だるげで、少し苦しそうな声がスマホから聞こえてくる。
どうしよう、とてつもなく申し訳ない。本当なのに、電話なんてかけて申し訳ない。
『…あ、のさ…あの、看病とか、できる…?』
「…え、あ、はい、少しなら…」
思わずそう答える。
人並みとは行かなくても、そこそこは出来ると思う。私調べだけど。
ましろさんの声音が少し明るくなった気がした。
『ほんとっ!?…げほっげほっ……ね、来てもらってもいい?住所送るからさ』
「…はあ、いいですよ。おだいじに。出来るだけ早く行きますね。」
『うん、よろしくー…』
ブツっと電話が切れる。直ぐにましろさんとのトークにマップのスクショが送られてくる。
…さて、行くか。
ましろさんの仮住居に鍵をかけ、足を進ませた。
…ここでいいのか?
来たのは、少しお高いマンション。部屋番号は、403、と…。
ロビーのインターフォンを押す。ポーン、と僅かに跳ね返ってきた音がこちらに響く。
がさがさと音が聞こえたあと、はぁい、と眠そうな返事が聞こえた。ましろさんだ。
「…楓かぁ、今ドア開けるね」
それだけ言って、ぶつりとインターフォンを切られてしまった。
ウィーンと音がして、目の前の自動ドアが開いた。慣れていない装飾に目を奪われながらも、来たエレベーターに乗り込んだ。
4階のボタンを押し、閉めるボタンを押す。
すると直ぐにドアは閉まり、静かにエレベーターは動き始めた。特に何も考える暇さえ与えられず、4階に着く。
403を探し、廊下を歩く。結構奥の方…。
そして、もう一度ドアの前に設置されたインターフォンを押した。
「楓〜、いらっしゃい…わざわざありがと…」
ドアから顔を覗かせたましろさんは部屋着で、髪もところどころ跳ねていた。うわ、辛そう。
「無理しないでくださいよ。中入りますね。」
うん〜、とニコニコしてフラフラして着いてくる。
・
10人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 零麗さん» 名前は大丈夫ですよ!書いてくださり有難うございます! (2021年10月9日 1時) (レス) @page21 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 優夜@skpr/Bscさん» わわ、素敵なシュチュエーションありがとうございます…!書かせていただきます!また、大好きとお言葉を頂けて嬉しい限りです!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします…!! (2021年10月8日 7時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
優夜@skpr/Bsc(プロフ) - 配信者ちゃんが風邪引くシチュとか、親友と配信者ちゃんがばったり会うシチュはどうですか…?楓が「あれ、配信者ちゃん来てない。珍し」って心配するとか…。あ、すみません、この作品大好きです、頑張ってください! (2021年10月7日 22時) (レス) @page19 id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:零麗 | 作成日時:2021年9月18日 17時