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「ねえ、ここじゃあれだし、どこかいかない?近くのカフェとか…」
中村さんが周りを見ながら言う。
いとはぱっと思いついたところをいう。
「…きさらぎ駅。」
「へっ?」
【次は__きさらぎ駅__きさらぎ駅で__ございます___お出口は___右側です____】
あ、今日はアナウンス、違う。右側になってる。
「ねえちょっと絲ちゃん!?これやばいんじゃないの!?」
「…だいじょうぶ。いとの、駅だから。」
「いとの駅!?あ、そっか絲ちゃん怪異!!」
さきほどから隣できゃーきゃーと騒ぐ中村さん。怖いのか面白がっているのかわからない。
ぷしゅう、と音を立てて電車が止まる。掲示板には【きさらぎ駅】とかいてある。
「中村さん。」
「あ、ハイ!?降ります、ちょっと待って!へぇー、不思議な駅だね!!」
幸い、絲のことはよく知らなかったらしく、絲の駅のことは話に出さなかった。
まあ、出しても依頼主さんだからあんまりひどいことしちゃダメなんだけど。
「…駅長室、いこう。」
「アッ、うんもちろん!にしてもいいね!!私電車好きなの、こんなの見たことない!!かっこいい!」
「…?うん。…あ、もう電車行っちゃうから、離れてて。」
いとが声をかけると、ドアを閉めてまた音を立てながら電車と地面がずれていく。
ばいばい、電車さん。
中村さんの手を握って、駅長室まで引っ張っていく。中村さん、手があったかい。
駅長室の看板がかかった扉を開き、中に入って電気をつける。
ちなみに駅長室はまあまあ広いと思う。奥にはキッチンもあるし。
…あ、前に輪廻さんから貰ったクッキー、食べかけのままだった。なんか申し訳ないけど、ここにあるおもてなしが出来るのはこれと未開封の炭酸水(輪廻さんから貰った)だけだし…。
「…座って。…くわしく、聞かせてほしい。お菓子も飲み物もあるから。」
「え、ありがとう。優しい絲ちゃん。可愛いし優しいしおもてなしも出来るって何…神?あ、怪異か。」
ひとりでなんかしている中村さんの袖をひっぱり、座らせる。
クッキーの包装紙を広げ、クッキーを出し、炭酸水をそこらへんに置いてあった計量カップに入れる。計量カップは、前に駅に来た人から貰ったやつ。ちゃんと、ぴかぴか。
「じゃあ話すね。まずは学生時代の私のことからかな。」
そういうと、中村さんはクッキーをひとかけかじった。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……! ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀`*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華@国語小テスト32点さん» ありがとうございます~!もちろんです!後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね! (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華@国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです! (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました!お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:偽名(to.リア友) | 作成日時:2021年7月19日 14時