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「…えぇと…蓮歌さん…これは…ジョーカーですか?」
「ふふ、それはどうかしら?」
例の出会いから、三日。場所を移して高速道路下の公園で2人はトランプでジジ抜きをしていた。女…
一昨日、一旦ボロ家に帰った際、景さんに「絲ちゃんも物好きだよねぇ、幽霊と遊ぶなんて。」と言われたが、絲にとって平和を乱すことは厳禁。これが1番平和的、という結論に至ったのだ。
「…よし、これっ…あっ!」
「え、嘘嘘!絶対当てられないと思ったのに…!」
絲のカードが揃い、普段は魅せないような満面の笑みで絲が揃ったカードを捨てた。
「もう1回、しますか?」
「…ん〜どうしよ。なんか、このままだと、成仏した時絲ちゃんが恋しくなっちゃうなぁ…」
へへ、と笑う蓮歌。確かに、すっかり忘れていたが彼女は幽霊だ。いつか成仏…消えなければならない。
「あたし、もういくね。遊んでくれてありがと、絲ちゃん。」
『いくね』が、なにのいくねかは分からない。
蓮歌は身を翻してその場から去っていこうとする。
「…あ、蓮歌さん。待って、待って。…あの!いと、蓮歌さんのことがだいすき!あそんでくれてありがとう!」
普段は声を張らない絲が珍しく声を張り、もう歩き出した蓮歌に声をかけた。
蓮歌は振り返らずに、一瞬足を止めると、またすぐ歩き出してしまった。
絲は静かに散らばったトランプを片す。すると、スペードのクイーンがないことに気付く。
「…そういえば、残ったカードってクイーンだったっけ…。」
胸に残った苦しさを気付かないふりをしながら、絲はボロ家へ向かった。
「…ただいま帰りました。…報告書も、書きますね。」
「お疲れ様〜。」
「はい、沢子さんもお疲れ様です。」
「そういえば、ボロ家の前にスペードのクイーン落ちてました。絲ちゃん、今日確かトランプ持っていったわよね?落としてた?それにね、そのトランプに最近事故死したっていう杠蓮歌のサインがあって…ニセモノかしら。」
沢子さんは不思議そうにトランプを取り出してジロジロ見る。
「…あ…」
蓮歌さんって、ほんと策士ってやつっぽい。
そう思った如月絲であった。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……! ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀`*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華@国語小テスト32点さん» ありがとうございます~!もちろんです!後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね! (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華@国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです! (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました!お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:偽名(to.リア友) | 作成日時:2021年7月19日 14時