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「はぁい、ありがとう。…あら、人魂ちゃんもごめんなさい、お待たせしたわね。」
おおよそ、20分後。やっと高そうなごすろり?から解放されたいとは、人魂とおばあさんと、向かい合って大きな机を囲んでいる。…人魂は、浮いてるけど。
目の前にはいい香りの紅茶と、かぬれ・ど・ぼるどー、っていうお菓子と、ふぃなんしぇ、っていうお菓子が並んでいる。
紅茶は少しの甘みと柔らかさが混ざり合っていて美味しくて、お菓子はどれも見た目は綺麗、中身は言葉では言い表せないほどおいしい…そんなものだった。
「で、あなた達はなにをしにきたのかしら?」
にこやかな笑みで聞いてくる。探りを入れてくるわけでも、疑いでもない。単純に気になっているだけの様。
いとは頂いた紅茶を口に一口運び飲み込み、少し息を吐く。
「…この人魂、今、おうち探しをしてて、それで、静かなところを探してて…」
人魂と目配せをしながら言う。
怒られる、と思って目を閉じるが、耳に入ってきたのは優しいおばあさんの声。
「あらあら、そうだったのね。…悪いけど、私が知る限り、そういう静かなところは知らないわ。…でも、ここならどうかしら?」
思わぬ提案に、食べていたふぃなんしぇが人(怪異)体に逆らってきそうだった。
でも、確かにここは静か、生活環境完璧、おまけに美味しいお菓子もある。…最後のは関係ない。
「お世話もしてあげられるわ。大丈夫、私、あなた達みたいないい怪異は好きよ。居てくれるなら大歓迎。」
ふふ、と笑うおばあさん。人魂を見ると、なんだか嬉しそうなオーラを放っている…気がする。
「あら、人魂ちゃんも喜んでいるかしら。…あなた、これでどう?お悩みは解決?」
こちらを見てくるおばあさん。…いとはうん、とうなずくと、
「…本当に、いいのなら。」
「あら、むしろにぎやかになってうれしいのよ。あ、弥生、人魂ちゃんのおへやを作ってくださる?」
おばあさんは召使のお兄さん…名前はたぶん弥生さんに部屋のメイクを頼むと、こちらに向き直る。
「なにかあったら、またいらして頂戴。まだここにいてもいいけどね。」
「…それは申し訳ないです、いとはここで失礼します。じゃあ人魂、ばいばい。おばあさんも有難うございました。」
深く礼をして、お屋敷の外へ出る。少しの寂しさを抱えながらも、ボロ屋のみんなのことを思うと、それも少し軽くなった。
後日、ボロ屋にいと宛てで大量のスプレー缶が届いたのはまた別の話。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……! ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀`*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華@国語小テスト32点さん» ありがとうございます~!もちろんです!後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね! (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華@国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです! (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました!お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:偽名(to.リア友) | 作成日時:2021年7月19日 14時