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また、現世で、電車に乗ったへ着く。
よし、と気合をわずかに入れ、頬を軽くたたく。
南口…はもううんざりするほど回ったから、北口から行こう。向かう人も少ないし。
「…人魂、こっち。…北口、いくよ。」
どこかへふらふら飛んでいこうとする人魂を読んで字のごとく手中に収め、いとは歩き出した。
「…落差、すごい…ここなら、ありそう!」
都会の落差は怖い。南口は栄えていたが、北口はかなりその…人が少なかった。
人魂も喜んでいるように見える。
「…行こう、探そう。」
少し早まる鼓動とともに、高揚感を抑えてまた歩き出す。
…やはり、大きな商業施設やビルは少ない。住宅地が多い。
駅から離れれば離れるほど、あくせす?が悪くなるらしいから、人もどんどん減っていくだろう。
一本道を歩いていけばいくほど、家も間隔があく。
「…ねえねえ、見つかったらそこに住むんでしょ。…どんなところでもいいの?」
ぼんやり、人魂に聞いてみる。ぽわーっと浮いていた人魂は気を取り戻すと、頷くような仕草をする。…ちなみに、今いとたちの目の前にたたずむのは中々おおきな洋館。
人もいなさそう、と思い、ピンポン…じゃなくて、インターフォンを押す。
「…誰かいらっしゃいますか〜…?」
少し待っていると、インターフォンから声がする。
「はぁい。…ってあら、あなた
「…えっ」
思わずその場に固まる。ズバリと言い当てられてしまった。
いとのことを怪異と見抜ける人なんていないと思ってた。だって、駅に来た人も、すれ違った人も、いとのことを怪異と思っている気配さえなかったのに。
しかもここ、人がいたのか。生活感のないお屋敷だったから、てっきり放置されたものかと。
「ふふ、怖がらなくってもいいのよ。さ、いらっしゃい、今門を開けるから。」
と、おばあさんがインターフォン越しにいうと、きぃ、と音を立て横の大きな門が開いた。
「あら、これも似合うじゃない!」
「…なに、してるんですか?」
「なにって、新しく作ったお洋服をあなたに着てもらっているの。」
人魂そっちのけで、いとは今、中にいたおばあさんに着せ替え人形にされている。
おばあさんの家は素敵で甘い香りがして、家具もアンティークな感じで、召使のお兄さん(この人も、人魂のことが見えていた)がいて。
「ごめんなさいね、あと二着だけ。」
「…かまいませんが…」
どれもお姫様が着る服みたいで緊張するのは秘密。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……! ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀`*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華@国語小テスト32点さん» ありがとうございます~!もちろんです!後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね! (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華@国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです! (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました!お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:偽名(to.リア友) | 作成日時:2021年7月19日 14時