五廻目/住居探し【如月絲】 ページ23
「…これ、いとが受けちゃダメな奴だったかも。…うーっ、廃墟、廃墟ぉ…」
…うーん、と声を出して伸びをする。来週、中村さんとの料理をする予定が立ったので、何を作ろうか、買ったばかりでつるつるの表紙の料理本を眺めているところだ。
少し目が疲れたな、と思い、伸ばしていた腕を下す。その反動で、首元のネックレスがしゃらりと揺れる。
…いや、なんでそんな急に揺れもしなかったネックレスが揺れるの。依頼を受けてとでもおっしゃっているのかな。
「…思い立ったが吉日、さっそく依頼を受けに行こう。」
ぱたぱたぱた…と駆け出し、沢子さんの元へ。
「…こんにちは。あの、依頼を受けたくて…」
毎度のようにそう切り出す。沢子さんはいつも通り微笑むと、また三つ、依頼を見せてくれた。じーっとにらめっこ。
勝負大会…いと、あんまり戦うのは好きじゃない。
音楽教室…は、うーん、お金はいらない。
消去法で、住居探し、というのに決めた。
「…こんにちはー…あの、ボロ屋の者です…ひっ！？」
依頼元の住居…廃墟に入ると、中に人がいた。思わず声を出してしまう。急いで物陰に隠れて、人が出ていくのを待つ。
「なあ、なんか今声しなかったか？」
「お前の気のせいじゃね？…お前の後ろとか…」
「おいやめろよー！ビビるじゃねーか、冗談はよせよ！」
若い男の人たち。確かに、耳にガンガン来る。すると、いとの目の前に白くてぼんやり光る人魂が現れた。
いとは目配せして、こっそり廃墟から出て、横の縁側に腰掛ける。人魂も着いてくる。
「…あなたが、依頼主さん？…如月、絲です。…これは、うるさいね、いとも頑張って探すから。」
人魂は絲の周りをくるくるっと回ると、こくりとうなずいた…ような気がした。
…かわいい。
いとと人魂は近くの駅にいき、地図をもらう。どうやら人魂はほかの人からは見えないようだった。
「…どこがいい？…いっても、わからないよね、いっしょに探そう。」
その場をくるり、と回る人魂といっしょに、廃墟探しが始まった。
「…ない。…ない！……ない！」
流石は都会(かは知らないけど)、廃墟という廃墟がない。思わず声を荒げてしまい、こほんと咳払い。二時間半以上は探したはず。なのに、ビル、ビル、一軒家、ビル、一軒家。もはや廃墟はあそこだけなのでは、と錯覚するほど。
人魂も疲れたのか、いとの肩にぶら下がっている。
「…休憩する？」
いとは、公園のベンチを指さし言った。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……！ ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀｀*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華＠国語小テスト32点さん» ありがとうございます~！もちろんです！後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね！ (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華＠国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです！ (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました！お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：偽名(to.リア友) | 作成日時：2021年7月19日 14時
