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「…えっと、なにかなさいますか?」
いとは紅茶を出しながら、アマビエさんに聞いた。
アマビエさんはうーん、と呟くと、
「いとちゃんのお話が聞きたいわね。趣味とかないの?」
「…趣味…料理と、占い?アマビエさ…」
「アマさん。アマさんって呼んでもらえる?アマビエって一々、めんどくさいでしょう。あたしもそっちの方が嬉しいし。」
「…はい、アマさん……は、なにか趣味とかあるんですか?」
趣味、と脳内検索をして、ぱっとヒットしたのがこの二つだった。
アマビエさんは何故か少し顔を輝かせると、
「あたしも料理好きなの。ねえ、一緒に料理しない?」
にやっと口角を上げて、アマビ…アマさんは言った。
さて、今いとたちがいるのは駅近くのショッピングセンター内のクッキングスタジオ。なぜこうなったのかはいとにも分からない。知らぬ間に話がとんとん拍子で進んでいた。
どうやらそのクッキングスタジオの常連らしく、アマさんはとっとと手続きを終わらせ、一つのちょっと大きいキッチンを借りた。
「よーし、やるわよ、いとちゃん!!」
「…は、はい、頑張ります…で、何作るんですか?」
「うーん、なんでもいいけど…ラタトゥイユとかは?あとはデザートにフルーツポンチ。」
らたとぅいゆ…?発音が難しくないの、これ。あんまりよくわかっていないが、多分美味しいと思うのでオーケーして、さっそく手を洗って料理に取り掛かる。
アマさんが材料を持ってくると、包丁を手に取る。いとも包丁を持って、アマさんの指示通りの切り方でズッキーニや茄子、パプリカを切っていく。次は玉ねぎ、と思って切ろうとする、が…
「…目、沁みる…!」
「あーあーあー、いとちゃんだいじょ…っ、あたしもだ〜、涙止まんない!あっはは、まずいまずい、野菜の質悪くなっちゃうわ。」
なんとか涙をひっこめて、玉ねぎを切ることに集中する。とん、とん、と一定のリズムを刻むアマさんといとの包丁。ある程度切ると、アマさんはフライパンに火をかざす。ここIHとやらなんだけど、これで火が通るのか…と感嘆していると、アマさんにオリーブオイル取って、と言われたので取って渡す。アマさんはオリーブオイルを少し温めると、かごに移しておいた玉ねぎを入れた。
「いとちゃん、ニンニク切っといてもらってもいい?四分割くらいでお願いするわ!」
「…はい、わかりました。」
ニンニクの皮をむいて、包丁でさくっときり、小さいお皿に移した。
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零麗(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 返信大変遅くなってしまってすみません……! ありがとうございます、とてもうれしいです☺️すごく絲らしくて、地蔵さんとの絡みが見ていてとても微笑ましいです(*´∀`*)ご報告、ありがとうございました🙇♀️🙇♀️ (2022年5月20日 16時) (レス) id: aed0a05f81 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。事後報告になってしまいましたが、路地裏の百物語企画の派生作品にて絲ちゃんをお借りさせていただきました。何か不都合、キャラ崩壊している等ございましたら遠慮なく御連絡ださい。訂正修正いたします。 (2022年5月3日 14時) (レス) @page3 id: 5cd6e12329 (このIDを非表示/違反報告)
零麗(プロフ) - 海華@国語小テスト32点さん» ありがとうございます~!もちろんです!後でそちらのボードにお伺いさせていただきますね! (2021年7月23日 15時) (レス) id: 85454a74f4 (このIDを非表示/違反報告)
海華@国語小テスト32点(プロフ) - あの、ぜひ僕のキャラと仲良くしていただきたいです! (2021年7月23日 14時) (レス) id: ea2b900886 (このIDを非表示/違反報告)
mitarasi(プロフ) - 零麗さん» 分かりました!お待ちしております。 (2021年7月21日 22時) (レス) id: 1c322805f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:偽名(to.リア友) | 作成日時:2021年7月19日 14時