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緑 side
「…ごめん」
謝って済む事じゃ無い。
玄関先で、フローリングの上で、目を覆いたくなるような惨状。
自分が一番大事な人になんて事したのか。
それぐらい、判ってた。
だけど…。
「なんか、最近こんなんばっかりやな」
イテテ、とボヤきながら体を動かすヤス。
ホンマにそう。
何やってんねん、俺…。
「ごめんなぁ…ヤス…」
「ホンマや…そのうち、ヤリ潰されてまうわ」
伏せた体を横向けにして、他人事みたいに言うてる。
「ほれ、シャワー連れてって」
ヤスが、俺に手を伸ばす。
「ヤス…」
「言うとくけど、おれ動かれへんからな」
その手を取って、ゆっくりと抱き起こし、抱えたまま、風呂場に運んだ。
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空の湯船に二人で座り、シャワーでヤスの背中にお湯をかける。
「なぁ、おーくら…」
湯気の中、ヤスが俺に話しかけた。
「おれ、おーくらが俺にしとき、って言ってくれた時、ホンマに嬉しかったねん」
淡々と、いつもの口調で。
「おれ、おーくらが好き」
「…ヤス」
「ごめんな、ホンマにそれだけやねん」
「おーくらに何もしてあげられへん…赤ちゃんかて、作られへん…どころか、ご飯すら作られへんしなぁ」
目の前が、ぼやけるのは、きっと…湯気のせいだけじゃなく。
「せやけど…一緒におってな?」
クシャッと、音がしそうな笑顔で一瞬、俺の方を振り仰いで。
「そうしてくれたら…嬉しいなぁ…」
それだけ言うと、ヤスは俺の胸に体を預け、コテンと寝入ってしまった。
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月3日 8時