シヨウヨ

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緑 side

洗い物って言うても、皿2枚とコップ2個やからすぐに終わる。

けど…その間にも、さっきのヤス、可愛かったなぁってにやけてまう。

オスダ感、出してるつもりやったんやろけど、そこも可愛いなぁって。


浮気？

そんなん、する訳無いやん！

アホやなぁって思う反面、可愛いなぁって。

思いついて、気怠そうにソファに座ってるヤスの隣に腰掛けて、マネージャーに電話する。

「もしもし、おーくらやけど」

「お疲れ様です、何かありましたか？」

まだ8時前やもんな。めっちゃ警戒してるやん。

「今、ヤスんちおるんやけど、今日って何時？」

「…大倉さんはお昼からですけど、何かありましたか？」

だから、二回も言うなって。

「ヤスとちょっと飲み過ぎてな…しんどそうやねん」

「潰したんですか⁈…今日から安田さん、海外も含めてロケ続きなんですよ！」

「大丈夫やで」

それまで黙って聞いてたヤスが急にスマホを引ったくった。

「…うん、うん。大丈夫〜。うん、そしたら空港で」

話を終えて電話を返しながら、優しくオレを睨む。

「…責任、取って空港まで送ってくれるんやんな？」

「勿論！」

『責任とって』なんて、女の子に言われたらゾッとする台詞やけど…ヤスに言われたら、なんかめっちゃ嬉しい！

…一生かけて、全力で責任取るからな…

って。

早く伝えたいな。

ヤスのコトやから、口に出して言わなわからへんやろし。

なんて考えてたから、空港で合流したマネージャーに、

「大倉さん、早起きし過ぎてちょっとキてるんですか？」

って言われるぐらいニヤけてたらしいけど。

お前なんかに判るか、この幸せが。

さり気なく、腰を庇いながら、普段の自分をこなしている、この愛しい存在と気持ちが通じ合えた幸せが。

「ほなな、おーくら。送ってくれてありがと」

「ええって」

手を振って、鼻歌混じりで別れれた時は、ずっとこんな日が続くと思ってた。

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