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緑 side
「なぁ、ヤス?」
「ん〜?」
俺の胸元に凭れたまま、ヤスが視線だけ上げて返事する。
その、
「…俺は別にこのままでもええけど、ちょっと中に入ってゆっくりせぇへん?」
なんて、バレへんようにカッコつけて言うた途端。
…無粋な俺の腹の虫が、大きな音を立てた。
「ゴ、ゴメン!おれ、あんまり腹減ってへんかったから…」
ヤスは慌てて俺の身体からその身を離した。
「…すまん」
俺は、恥ずかしくて、顔を片手で覆って上を向いた。
「ええよ、そんなん。ご飯食べさせてよ?その為に来たんやし」
ヤスは背伸びして、俺の顔から手を引き剥がした。
「何を食べさせてくれるん?」
ぐいっと俺の顔を下げさせて、笑顔で問いかける。
「鍋なんは決まってるけど…ヤス、何鍋がええ?」
「ホンマ?嬉しい…ほしたら寄せ鍋がええなぁ。塩出汁でアッサリ食べたいねん」
「よしよし、すぐに支度するから、待っとってな?」
ヤスの旋毛にそっと口唇を落とすと、靴を脱いで、リビングに招き入れた。
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月3日 8時