One day in winter

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iw


「康二、今んとこもうちょい足上げて。

あと佐久間もう0.5中心に寄って、」



レッスン中は台風のことなんて忘れて集中。


……したいところなんだけど。


身体を動かして血行が良くなったのか、

ずきりずきりと脈打つように痛む頭は

次第に無視できなくなってきた。



自分自身に余裕がないから表情も険しくなるし、


みんなへの指導まで頭が回らなくなってくる。



それからもうしばらく練習したところで、

ふっかから声が掛かった。


「ねぇー、ひかる〜」


「ん、なに？」


「ちょっと休憩とろ、喉渇いた」


「おっけ、じゃあ10分休憩とるから

ちゃんと水分補給して」


最近肌寒くなってきたとはいえ、

レッスン室はみんなの熱気で暑いし

朝で塩分も流れて行っちゃうから。



頭痛って、身体に水分が足りなくて起こることもあるし。


段々と激しく主張し始める痛みを誤魔化すように、

アクエリをごくごくと流し込んだ。


けど、このなんとも言えない甘ったるさが

喉にこびりつくのが嫌で、

んん、と咳払いをしてみる。



普段から飲んでいてこんな風にならないのに。



あー、やっぱ調子良くないんだな、

とわかったところで、

「ひかる、」


ぽてぽてと近寄ってくるヤツがいた。

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