二話 ページ4
家を出るまでの準備は割愛。
これがフォー〇スの力か。
「そこ未知のエネルギー体出さない。
そろそろ学校行くよ？」
『凪君、某水色鼠のどこでも行けるドア出して』
「ねえ、怒るよ？」
『はいすいません行きましょう』
前を歩く凪君の後ろを私も着いていく。
然り気無く私に歩幅を合わせてくれていることに優しさを感じて笑みが零れる。
凪君と一緒に登校するのも久々で、嬉しいのも相まっているのかもしれない。
まあ、凪君は今年高三で直ぐに大学に行ってしまう。
それまでの一年で一緒に登下校が出来るぐらいの友達が私は得られるかな。
私は父さんに似て人見知り。
だから人と関わることはめっぽう弱い。
それを考えると不安で胸が押し付けられるような気分になって恐い。
「A、不安？」
そんな状態を察したのか、私の顔を覗いた凪君がそう聞いてくる。
『うん。友達出来るかなって思って...』
「あ〜、不安だよね。俺もそうだった」
『？凪君は人見知りしないでしょ。
どうして不安なの？』
凪君は友達が沢山居る。
兄の周りには何時も多くの人が集まって、その中心に兄は立ち優しそうに笑っているのだ。
老若男女に好かれる凪君がどうしてそんな不安を抱くんだろうか。
「俺はAが思ってるよりずっと小心者で臆病な奴だよ。
何時も誰かの顔色見てるし誰かの発言に必ず裏があるんだって思ってる。
ちょっと勇気を出して生きてるだけ。」
『ちょっとの勇気も出すのは難しいよ』
「その難しさを越える。
"越えるだけ"って簡単に考えた方が重くとらえるよりずっと楽だと思わない？」
『どうしたらそれが出来るの？』
「勇気を出せ、としか俺は言えない。
やり方はAが自分で考えないと意味がない。
ほら、前見な？我々高校が見えてきたよ」
凪君の一言にイマイチ納得出来ていないまま前を見ると、少し先に我々高校の大きくて綺麗な校舎が目に写る。
さっきの話の結末は分からなかったけどその話を聞いて少し気楽に捉えることが出来た気がする。
やっぱり、私の兄は凄い。
「さっ！遅刻するよ、行こう！」
『っわ！ちょ、待って！』
急に凪君に手を引かれ、慌てて走り出した。
桜の木から花弁が舞って風と一緒に私達に降り注ぐ。
その下で走った時の小さな幸福が、今はただただ嬉しいと感じるんだ。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
