一話 ページ3
ピピピ、と携帯のアラームが鳴ったことで瞼を薄く開いた。
カーテンの隙間から太陽の光が零れる。眩しい。
まだ少し冬の名残が残っているからか朝は肌寒く
体が重い中モソモソと布団から這い出た私は見慣れない制服が壁に掛かっているのを見てあることを思い出した。
『今日.....入学式？』
「そう。Aは今日から高校生で〜す」
『おわあっ！』
「ぶふっ」
うわ言混じりに呟いた言葉に返答があるとは思っていなくて盛大な大声を上げる。
一気に覚醒した意識と共に後ろを振り替えったと同タイミングで誰かが吹き出す声も聞こえてきた。
私も私でその声の主が誰かを理解し呆れた声を上げてしまう。
『ﾊｧ..凪君さぁ.....』
「んははっ、ごめんね。つい」
ついって....。
私と似た顔立ちの兄に軽くチョップをかまし今回は手打ちにしてやろう。
「いや〜、でも昨日まで赤ちゃんだったAがもう高校生かあ。早いなあ」
『確かに昨日赤ちゃんだった人が急に高校生になるのは早いよ』
そんな下らない会話をしながら一階に降りた。
両親二人は何時も共働きで朝早く出て行くから何時ものように二人の姿は無い。
でも今日の入学式は会社から直接向かうらしい。
別にいいのに、と言ったところ
「娘の晴れ舞台を見ないわけにはいかない」
と少し気恥ずかしい返しをされた。
普段厳しい父さんも昨日は心なしか嬉しそうで面白かったなあ。
「ほらA、朝御飯食べよ？」
『あ、うん』
凪君に話しかけられたことでハッと我に返った。
いけないいけない。危うく高校での目的を忘れるところだった。
我々高校。
ここら一帯の地域でかなり偏差値の高い高校。
今日から私はそこに通うことになるのだが、ここに行くことを決めたのにはちゃんとした理由が存在している。
私より先に其処へ入学した凪君によると。
『ねえ凪君、本当に生徒会に我々国の幹部の生まれ変わりって人、居るんだよね？』
「確か今年の入学生の中にも居るよ。
Aは興味あるんだっけ」
『ある。大いにある』
「異性男女交遊？」
『それは断じて違う』
どうやら、我々国幹部の生まれ変わりと言われている人達が我々高校の生徒会に居るそうだ。
少し前まで雑誌でも紹介されたちょっとした有名人。
もしも生まれ変わりが本当なら恩が返せる。
そうこれから先の高校生活に思いを馳せながら私は白米を一口、口に含んだ。
美味しい。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
