十八話 ページ25
em side
「おい、ねえ。起きろよ、寝坊ハゲ」
「ハゲてないわっ！......っん？」
「やぁっと起きた。
ニンゲンってこういうとこ面倒！
いーっつも欲望のために神頼みしたりして。
何たる侮辱、恥辱！嗚呼、不愉快極まれり！」
此処は何処だ。
真っ白、全てが白で埋め尽くされた空間の何処からか男の声がする。かなり癖があり癪に触る言動に顔をしかめた。
というか、誰だ。
その言葉が喉に留まる。
私は先程死んだ筈だ。Aさんが私の近くに来てくれた瞬間に逝った。
彼女は生きているだろうか。
皆さんは生きているだろうか。
わた、いや俺はどうなるんだろうか。
「君は転生するんだよ。
感謝してよね、あの子のお願いがなければ絶対引き受けないんだから」
「転生....？あの子.....？何ですか、それ」
「ハア？！ったく、ちゃんと聞いててよ？
えー、君は平和な世界でおんぎゃーします。
餓鬼からやり直して幸せに死ぬんだよ。
これが最初に言った転生です。
ちなみに返答は"はい"か"YES"だよ」
「選択肢増えません？
というか貴方誰なんです？何者や！」
喧嘩腰になられていることについては理解不能だがずっと疑問に感じていたことは聞いた。
また何処からか声が聞こえる。
「あー、説明が遅れてたか。ごめんね。
僕はニンゲンの命を司る所謂神様。おっけい？」
「.....まあ、やはりそんなところですか」
「へえ。賢いじゃん。さすが参謀さん。そういう奴嫌いじゃない」
「私は貴方が嫌いですよ。」
「うわ。ウッッッッッザ」
口論の筈が楽しそうにクツクツと笑っている声に腹が立つ。
「で、あの。あの子とは？」
「君の飼ってた蝶々のAのことだよ。
あの子は神の寵愛を受けてる。
寵愛を受けると寿命が長くなったり、頭脳が発達してたりと、まあパーフェクトな子になるんだよ。」
脳裏に焼き付いたAさんが蘇る。
確かに蝶にしては寿命がかなり長かった。今の現状と組み合わせて考えれば納得だ。
「えっと？聞いたのはこれだけだったよね。
よし、なら早々に転生させちゃうか」
神がそう言って数秒後、足先が仄かに光り始めた。
ペースは早くあっという間に下半身が呑み込まれる。
「じゃ、そういうことで。まったね〜」
「え、あっ、ちょ！」
最後に聞こえたその一言で、私の意識は真っ暗闇の中に沈んでいった。
＿＿＿＿＿＿
過去振り返りは此処で一回終了です。
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お星 - うわーすごいいい話じゃないですかぁ（泣）体に気をつけながら頑張ってください''い''（泣いています） (2020年7月19日 21時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - あああ泣かないで下さい（泣）過去編が上手くまとめられなくてどうしようと思ってたのですがそう言ってくれる方がいて嬉しいです( ；∀；)これからも頑張ります！ (2020年4月30日 19時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - う゛う゛う゛(泣)感動しました...過去編とかまーじで涙腺ガバガバでしたわ...更新無理せず頑張ってください！ (2020年4月30日 9時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
雨桷(プロフ) - 眠い日とさん» コメントありがとうございます！全部が好きなんて嬉しいお言葉で照れますね！影の藻って、マニアックな場所にお隠れになっているようなので私も今からそちらに走っていきますので少々お待ちを！ (2020年4月28日 9時) (レス) id: 74dfe25e8a (このIDを非表示/違反報告)
眠い日と - コメント失礼しますこの作品すごく面白いですね！語彙力がないんで細かく言えないですが、全部が好きです！これからも無理せず頑張って下さい！自分は影の藻から応援してますので！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: 135cca5399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨桷 | 作成日時：2020年3月31日 11時
