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「絶対嫌われてます.....」
18「またそれ?」
「だって!!!智さん!!」
キャンプも第1クールが終わって休養日。
久しぶりにAを飯に連れてきたら、また誠司の話。
Aは俺が大学で4年生だった時に1年生だった。
チーム専属のトレーナーとして頑張っていたけど1年生だからどうしても頼りなくて、色々厳しいこともたくさん言った。
それでも、食らいついてきたこいつを、俺はトレーナーとして今では心の底から信頼している。まあ、そんなこと口が裂けても言わないけど。
18「まあさ、あいつも色々あるんだよ。」
「いろいろってなんですか...。もう5年目なのに...。私、よっぽど誠司さんに嫌われるような事しちゃったんでしょうか...」
こいつからは、誠司の事に限らずいろいろ相談されるけど。
誠司から、Aの過去のことを聞いている身としては下手なことは言えない訳で。
18「嫌われてないだろ。トレーナーと選手として付き合ってるだけだろ?慎吾とか、宮國とかが距離近すぎなんだよ、お前と」
「そんなもんでしょうか...」
誠司の気持ちもわからないでもないけれど。
過去のことを隠したいのなら、もっと上手にやれよなんて。
『これが、俺なりの償い方やねん。』
あいつのあんなに辛そうな顔を見たら言えなくて。
俺にとってはAも誠司も両方大事だから。
18「償い....か。」
「智さん、今なんか言いました?」
18「いや、なんでもない。」
どちらも幸せになる方法があればいいのだけれど。
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作者名:ジャス | 作成日時:2019年2月7日 8時