キミの夢を見ていた (ページ22)

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「「かんぱーい！！」」

結局あの後、亀さんが慎吾と俺と卓三を誘ってくれて、4人で飲みに来た。

３６「亀しゃーん」

９「誰や、こいつにこんなに飲ませたの」

すでに呂律が回ってない慎吾と比べて表情一つ変えない亀さんはやっぱり大人の男って感じがする。

４６「誠司さん、次何飲まれますか？」

２２「んー、なにがオススメ？」

４６「この、泡盛美味いっす。」

２２「じゃ、同じの」

なにも言わなくてもわかってくれる先輩と後輩がいて、自分は凄く幸せ者だと思う

野球の話からくだらない話まで。

大人な亀さんと、酒が入っていつも以上に喋る慎吾と、気心知れた卓三との時間は楽しくて、気づけも自分もいつも以上に酒が進んでいた。

２２「本当は、このままじゃダメな事くらいわかってるんです...」

２２「でも、Aには一番知られたくないんです」

２２「俺ね、あいつの幼馴染なんです」

開いた口はもう閉まってくれなくて

「えーー！」なんて驚いた慎吾の声と、何も言わないけれど驚いた亀さんの表情と、完全に固まってしまった卓三の驚いた表情が、居酒屋で流れてる陽気な沖縄民謡とちぐはぐでちょっと笑ってしまったけど

２２「あいつ、俺のこと忘れてるんです。こっちはずっと覚えとるのに」

２２「でも、全部俺のせいやから」

『私ね、誠司くんの事好き。』

２２「俺が、あの日...

『平気。一人で帰れるから』

『帰り道に交通事故に遭ったって』

『いつ、意識が戻るかわからないの』

『甲子園なんか見に行ったらから』

『可哀想に』

『あの、私の事知ってるんですか？』

視界がぼやける。

居酒屋のテーブルに向けた謝罪の言葉は

きっと誰にも届かない。