彼女は愛され体質

結局のところ - Hokuto ページ40

Hokuto side



「おまえ、Aのこと諦めたんなら世話焼きすぎんなよ。Aのことは俺が見るから」



そう、樹に言われてから、何となくAから距離を置いていた。いや、距離を置くというか、Aが仮眠取る時に俺の膝枕だったのが樹の膝枕になったり、忙しいと飯食わなくなって痩せすぎるからおやつ食べさせたりとかそういうちょっとした世話焼きを樹がするようになっただけ。別に俺の役目だったわけではないけど、そうゆう些細なことが気になって俺がしていただけだ。


Aのことはわりとなんだって分かる。

体調良くないなとか、生理周期も把握してるし、なんか悩んでるなとか、仕事に熱中し過ぎてバランス崩れてるなとか、喜んでる怒ってる… 大抵のことはなんでも。


だって、ずっとAを見てきたから。


俺がジャニーズ入った時には紅一点として話題になっていた女。一体どんなやつなんだって、観察してた。見てるだけで面白くて飽きないし、接するようになればもっともっと知りたくなって、気づけば惚れていた。そして、いつの間にかAのちょっとした変化に気づくようになっていた。Aに対する恋愛感情を捨てたところで、それは変わらず。


だから、今日だってすぐに気づいた。



北「撮影までだいぶ時間あるから寝といたら？」

「うーん、そうだね、ちょっと寝るー」

樹「A、はい、膝枕してあげる」

「樹の膝骨だからいい、」

樹「タオルのせたからふかふかだよ！はい、こっちおいで」

「んー」




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